Sunday, December 10, 2006

[廈門・186日] ある男の話

同僚の男の話であります。彼は台湾から呼ばれてやってきました。早口で、こちらの人に言わせるといささか奇妙なしゃべり方をするそうです。一寸女性の話し方に似ているといいます。しゃべり方が女性的だから動作もそうかというとこれが違いまして、なかなか男性的なのです。男性的というのは女性に対して積極的だということであります。もちろん妻帯者であります。

ある日彼は一人廈門見物に出かけてきました。見物の途中、彼にいわせると「小さなお嬢さん」と出逢ったといいます。廈門に疎い彼、小さなお嬢さんに案内を頼むと、快く承諾してくれたとのことです。しばらくしてのこと、出張先から長旅を終えて戻ってきたある夜、私は彼と道端の屋台でビールを飲んでおりました。彼に電話が入ります。話が終わったあとに電話の相手が「小さなお嬢さん」だと話してくれました。どうも出張先にて彼の秘書をしてみないかという話をしていたみたいなのであります。

一寸厄介なのは彼が我が秘書にも積極的だということです。我が秘書は彼に対し上司に対する心得で対応しているのですが、私に断りなく彼女に仕事は頼む、こちらの予定にお構いなく引き出そうとする。私の秘書なのにここでも秘書にならないかと声をかけております。彼の廈門滞在中、何度か彼女との会食も試みたらしい。しかし誘いを受けたくない彼女、おかげで我が家は毎日のように彼女の避難先と相成ってしまったのであります。彼から電話がかかってくると、「ボスの家にいまーす!」。そんな対応にも彼、まだあきらめた様子が見受けられない。イヤ、こうでなくてはここで仕事は進められないのかもしれないのであります。見習うべきか見習わないべきか。人間、厄介な生き物であります。

[ 写真: 彼が宿泊先に選んだホテルは我が家の真向かい、ここの23階だという。おいおいおい、我が家は丸見えだぜ・・・コワッ! ]

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