Friday, December 8, 2006

[廈門・184日] 仕事場

私が所属している会社の本社ビル、開発地区に展開している関連施設の一角、高さ十メートルを超える木々に囲まれた中にある。手入れされた庭園、各所に設けられた監視カメラ、よく教育された保安員たち。この建物、四十メートル角地上三階地下一階建て、その三階に裏ボスが住まわれておいでになるのだ。ビルの中央は二十四メートル角の吹き抜けが設けられ、三階から事務空間すべてが見渡せる。管理するのもしやすい。吹き抜け上部はガラス屋根、仕事をする側も、明るくゆったりした空間の中にいるので気分がいい。

重役には個室があてがわれ、ここだけは煙草が吸える。それ以外すべて禁煙。私は一階の窓際、大部屋の一角である。大部屋といってもすべて解放されている。デスクはちょうど目高のパーティションで仕切られ、オフィスに入ってきたとき、人はここには誰も見当たらないのではと感じる。よけいなものが嫌いな裏ボスは建物の気分をよく心得ているのだ。

上斑 ( shang4ban1 出勤 )下斑 ( xia4ban 退勤 )、トイレにお茶、食堂への行き来はこの吹き抜けが廊下がわり、当然雑談も少なくなる。中国社会にあって、この静寂はなかなか得難いのだ。

食事は地下室に設えられており、ここは課長以上の人間が、役員はその一角の周りとガラスで区切られた一室で食する。私には個室が与えられていない。煙草と縁の切れないでいる私は、外の喫煙場所まで出ていく。食後は庭先のベンチでのんびりと一人紫煙を楽しんでいる。芝生に四季の花々、悪くない環境なのである。

[ 写真: 左写真・庭園の一角から本社ビルを眺める。自然要素と人工物、裏ボスの基本姿勢である。 右写真・私のデスクからの眺め。正面右側のガラス戸がメインエントランス。二階もオープン、吹き抜け際が通路。三階はここからは見えない。天井の材料が貧弱なのが残念である。 ]

No comments: