
若かりし頃、フランス映画に傾倒した頃、白黒フィルムが描く都会の裏道や田舎のポプラ並木はみな樹幹が白く塗られていた。白いと夜間ヘッドライトに反射して安全なのではないかと勝手に想像したわけだ。千葉の片田舎に移転、納屋の下屋の柱が車の運転にじゃまになる。そこでペンキで白く塗ってみた。しかしヘッドライトに反射するわけでもなく、効果はいまいちだった。虫の防止という実利の方が理にかなっていそうだ。
かくも人の脳みそなぞ当てにならない。想像力を働かしすぎて、物事をよからぬ方向に持って行くなぞいとも簡単に思えてくる。脳みそとは厄介なものである。
[ 写真: つたない記憶であるが、昔、上海の町を夜中に歩いたとき、やはり並木の樹幹は白かったようだ。 ]
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