夕方、中国語の教師が荷物をたくさん抱えてやってきた。里帰りから戻ってきたのだ。荷物のほとんどが地方名産。旨いものなのか疑問の余地あり、とはいえ気持ちが大切である。ありがたく受け取った。これはというのが自家製の酒、米でつくった酒。ペプシのペットボトルの中は薄い黄色をしていた。これで米酒か?と聞くと、ママがつくったのだという。試飲してみる。少し甘みがある。一寸紹興酒に似ている風味。面白い。
教師に聞く、里帰りはどうだったかと。「没意思 mei3 yi4 si5 どってことなかった」。変わるものである。昨年の国慶節、あれほど帰郷に胸をはずませていた彼女、この度は気が乗らなかったようだ。この半年、毎日のように顔をつきあわせ、彼女の機微を読み取ってきていただけに、この一言は一寸寂しい思いである。家族想い、弟たちが大学卒業まで面倒を見なければならないと常日頃語っていたものの、その重圧からか、別の理由からか、押しつぶされようとしているかのようだ。
里帰りを知らない私には、盆暮れはいつもと変わらない面々と一緒だった。生活の節目というのがなかったような気がする。それだけに、国を離れ、半年に一度、両親との再会というのは重いものがあるはずである。彼女の胸の内は推し量るほかないが、かつてのような天真爛漫さが戻ってきてほしいと、いそいそと帰って行く後ろ姿を見つめた。彼女も大人になりつつあるのだろう。
さあ、今日で春節の休暇は終わりである。あす日曜日には仕事が始まる。不思議な会社、というより不思議な休暇の設定である。
[ 写真: 米酒と地方名産。地瓜片、甘藷芋は懐かしい味だ。 ]
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