Wednesday, May 23, 2007

[廈門・351日] 池の鯉

池の鯉、池から出られない鯉、とらわれの身、逃げ場のない鯉、これは比喩で語っているのではなく、池の鯉は池から出られない。本当の話・・・。

会社の庭の池、夏場を向かえ、今日、池さらいが行われた。ポンプを使い、水を半ばまで抜き、逃げ場を失った鯉を何人かが網ですくう。すくわれた鯉は白いポリバケツに投げ込まれる。一通りすくい終わると、小型トラックの荷台に移され、どこかに運ばれていった。その数おおよそ百匹はくだらない。赤、白、黒、まだら、元気のいい鯉たちがポリバケツのなかではね回っていた。壮観である。

なかには最後まで逃げ回り、捕らえようと網を打つものの、その間を巧みに抜け出していた鯉も数匹。鯉は池から出られないのでありました。鯉が去って、水が抜かれ、溜まった泥をデッキブラシで洗い流している。手間暇のかかるものだ。一日仕事で終わるのだろうか。

まあよくそんな光景を眺める暇があったものだとお思いの方、暇があったのです。今日は麗江の案件、影のボスからご意見と承認をいただく予定でありました。このボスが上から下りてくるのを待つ間、元ボスの部屋から鯉の行く末を眺めていたことになったのです。おくれてとった昼食のあと、池の畔で鯉の行く末を眺め、写真を撮り、また部屋に戻り、また眺め、でこの一末を観察しておりました。

しかし昔の人はよい例えを考えついたもので、池の鯉とはよく言ったものだ。一寸周りを見回しても、誰それの出来事を充ててみても、自分に置き換えてみても、池の鯉とはよく言ったものだ。しかし、鯉はそれなりに幸せそうに過ごしてきたのだから、池のなかで死に絶えても鯉は文句は言うまい。

[ 写真: 人件費の安いここ中国だからできる、人海戦術での池さらい、影のボスはホテルのプログラムについて、近い将来、人件費の高騰を語り、幹部の給与で、300人のスタッフを養える、余計な幹部を配置しないよう語った。 ]

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