Wednesday, November 23, 2011

収容された野良犬のその後を追ったドキュメンタリー「幸運號碼」

その昔、千葉の片田舎に暮していたとき、しばしば首輪のない犬が裏山から降りてきていた。市役所にその旨通報すると車がやってきて彼らを連れ去っていった。その後彼らがどうなったか、気に留めることはなかった・・・

飼い主に捨てられた野良犬のその後を追ったドキュメンタリー「幸運號碼」が公視で放映された。収容された犬たちのその後を描いて秀逸な作品でした。

舞台は台北市。その北に基隆河が流れている。脇には河濱公園があり、市民がジョギングを楽しんでいる。その姿を遠くから眺める野良犬の姿もまた眼にする。ここにはかなりの数の野良犬が生息している。かれらの多くは公立の動物収容所のボランティアとして働く職員によって「台北市動物之家」に移される。シャワーを浴び、歯を磨かれ、爪の手入れを受け、真っ白なタオルで包まれた犬たちに番号がつけられる。健康診断を受け、必要なら治療を施され、三食と平常な生活を21日間過ごすことになる。(*日数については最長45日が可能らしいがその条件は聞きもらしてしまった)

毎週末、「Taipei Animal Shellter」は一般市民に開放され、里親を探す。番組のタイトル「幸せを運ぶナンバー」を呼んでもらえる犬たち、その一方でゲージから一度も出ることのないものもいる。凶暴な性格だったり、病気が治らず過ごさざるを得ないからだ。施設には百以上のゲージが並んでいた。

ゲージが満杯になると、優先条項にそって選別され、安楽死を迎える。最後の治療台にのぼる前、身奇麗にされ注射を受ける。まぶたが静かに閉ざされるさまをレンズは捉える・・・

番組は饒舌に語らない、騒がしくわめかない、ただただジッと対象を捉えている。カメラ目線は犬と同じ高さ。彼らが我々をどんなアングルで見ていたのか教えられる。映像が美しいだけに胸にくるものも大きかった。

[burikineko]
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