Sunday, November 20, 2011

1970

1970年某月某日、日比谷公会堂前は集会参加者で溢れていた。しかし公園の外に灯りも車も人の姿もなく、その先に何が待っているのか分からなかった。気勢をあげながら一団とともに大通りに繰り出したとたん、鉄鋲が立てる金属音の塊が暗闇の先から押し寄せてきた。あわてて公園の中に戻ろうとすると襟首をつかまれた。必死で植え込みの柵を越える。鉄鋲はそれ以上追ってくる事はなかった・・・

それから二十年、小学校のクラス会にはいつもと違うメンバーが何人か参加していた。その中の一人、M君、ひょりょひょろだった彼もいまやがっしりと恰幅よく鋭い目つきに変わっていた。何をやっているのか尋ねると、親爺の後をついで警察官だという。現在は○暴担当、かつては花の七機たっだという。そうか日比谷にも出ていたのかと問うと、そうだ、と答えた。

しばらくしてある日のNHKテレビのニュースを見ていると、住宅から一人の男が出てくる姿を追っていた。M君である。暴力団関係者とマージャンをした警察官云々・・・。今どうしているだろう。 [burikineko]

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