Tuesday, August 31, 2004

台湾タクシー事情

海外でタクシーに乗るのは厄介なものだ。 目的地にちゃんと連れて行ってくれるのか、料金の支払方法は、チップは等等気苦労が多い。座る席も運ちゃんの隣に座らされることもあるし、相乗りすること もある。友人たちと台湾を旅した際、数人が帰る当日に故宮博物館を訪れ、我々の待つホテルにタクシーで戻ろうとすると山道を登り始めて泡を食ったと話して くれたりした・・・ (2001年3月8日記)
 
・台湾でタクシーを乗りこなす

10年前と違って、台湾でタクシー代をボラれたと言う話を今は聞かない。にもかかわらず、厄介な話はやはり残っている。ここ数年の人件費の高騰が、タクシー料金を分かりにくいものにしている。半年に一度の割で台湾を訪れている私でさえ、やはり分からない。

例えば台北市の場合、去年の9月はメーター料金に15元を加えて精算だったのが、今年はなくなっていた。台中市では50元足して下さいといわれた。怪訝な 顔の私を見て運転手は、ダッシュボードのはり紙を指先で叩いてみせた。次々とタクシー料金を値上げするため、メーターの改修が追い付いていないのだ。それ でもサバを読まれたことがなかったから、運転手も良心的になったものだ。その一方、105元の料金に200元出すと、100元しか取らなかったりするから 面白い。

・タクシーをハイヤー代わりに乗りこなす

タクシー料金は安い。公共の乗り物が圧倒的に安いこともあり、タクシーもそれに比例している。台北市の基本料金が80元に値上げしたといっても、日本円で 300円程度。夜中に市内をうろついていても1000円あればホテルに戻ることができる。だから時としてタクシーをハイヤー代わりに使ってみたりする。交 渉事なので、言葉が分かるか駆け引きの上手な人でないとあまりメリットはでないが、それでも日本と比べれば安い。

日曜日の夕方、台湾東海岸の田舎の駅から観光地花蓮に向かった。明日、ここから飛行機に乗るため一泊することにしていた。駅の改札口を出て宿を探すことに する。一般の観光客はもう帰路についており、日曜日の夕方、観光地に降り立つ人間などほとんどいない。私は花蓮が不案内だ。二人で観光案内所に向かって歩 き始めると、1人の女性が近付いてきた。個人タクシーの運転手だった。彼女にいくつかの条件を出すと、600元ならと返事がかえってきた。ほぼ二千円強の 値段だ。

まず市内の繁華街付近で800元(3000円)程度の宿を紹介してもらう。
チェックインの後、めぼしい市内観光スポットをひとまわりする。
花蓮名産、ワンタンの有名店を案内してもらいホテルに戻る。
この条件の中で時間は無制限。

海浜公園の夜市で射的をし(見事十発十中)、
花蓮一のホテルでコーヒーを飲み(もちろん彼女にも御馳走)、
ワンタンの店を再確認してホテルへの道を走る(ホテルから徒歩5分)、
明朝飛行場まで送ってもらう約束をして別れた。
その間約1時間半。日曜夕方の、客が少ない時だったからできたことだろう。

・台湾の人は総じて親切だ 特に田舎では

竹構造住居の棟梁に会うため、斗六という田舎町の駅前のタクシー会社に顔を突っ込む。
「鹿谷と竹山あたり回ってきたいんだけど、いくら?」
バスは走っているが、短時間に数箇所を回らなければならない。
「時間は?」
「半日はかかるな」
「2000元でええわ」 七千円弱だ。
「オーケー。ついでで悪いけど今日中に台北に戻りたいんだ、汽車の切符買っといてくれる?」
「おーい、ちょっと話し聞いてやってくれー」
運ちゃんが事務所のネーちゃんに声をかける。
これで、戻るとそのまま汽車に乗る段取りができた。

今回はアシスタントが同行していない。言葉の問題がある。棟梁は台湾語しか理解できない。私は台湾語が分からない。通訳は運ちゃんがしてくれた。
棟梁と別れて昼飯を取ることにする。竹の多いこの地方の名物料理は「竹筒飯」。竹づつにまぜ御飯を入れて蒸したもの。運ちゃん入れて三人で食卓を囲む。料 理が終わりに差し掛かると、運ちゃんが老板娘(女性店主)を呼んで支払いをしようとする。気分は飯代は払います、ということ。人間関係に気を配る、それを なにげなくしてみせる。もちろんこちらで支払った。

半日以上、車と運転手を拘束して食事をとって列車の切符を購入しても一万円でお釣がくる。台湾ではそんな旅もできる。

No comments: