Wednesday, July 4, 2007

[廈門・391天] 希比


こちらに来た当初、私が元ボスからよく言われたのは、「ヒッピーみたいだね」。ヒッピー(希比 xi1bi3"hippie" )なぞ死語かもしれないが、元はといえば、物質文明や既成の秩序に反逆する人間をさしていた。そのうち、愛を語り平和を望み・・・なぞ俗に語られるようになる。

元ボスの意味するところは服装。Gパン、Tシャツ、コンバース。大企業にあってはならない様をさしている。まあ当時はホテルの工事現場が事務所だったので、現場の人間と一緒、格好をどうこうという話は重要ではなかった。

それでも、現場視察に来た影のボスの前に、そんな格好で私は現れた。しばらく一緒して話を聞いていたが、元ボス、私を呼んで「もう下がっていいよ」。工人と間違えるような様で現れるな、ということ。

それから一年、ある時元ボスが私に話しかけた。「君は平和を愛する人間なんだね」。当然である。好んで喧嘩を売るようなマネはしたくない。ボスは意識的に喧嘩を売る類の人間。自分でもいうように、かつてはヤクザまがいだったこともある。のし上がる、仕事を盗る、金を得る、平和主義ではなしえないと思っている。

会議で激論を交わし、自分の意見を頑固に押し通す。人のアイデアを自分のものにする。出来る出来ないはおいといて、自分ならもっといい案を提供できると語る。仕事を盗るにはこの方法しかないと考えている。私は違う。通すべき筋は通す。彼とは水と油なのだ。このところ、彼と会話を交わしたことがない。例えヤクザまがいでも、昔のように、まずやるべきことはやる、口にしたことは実行する、という姿勢が見えないからだ。

仲間うちに話す。元ボスは辞める辞めるといっていっこうに辞める気配がない。我々が去った後でも、きっと彼は辞める辞めるといい続けながら居続けるだろうと。

[ 写真: ヒッピー・ジェネレーション末期に登場したロック・グループ、イーグルスの若き頃と三十年後の彼ら。最近は YouTube で、しばしば「ホテル・カルフォルニア」のライブをみている。MTV全盛期の、好きなビデオクリップが、今ではウェッブでみることができる。孤独な夜を一人過ごすにはうってつけだ。 ]

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