Monday, July 2, 2007

[廈門・389天] うるさいのだ!-II

夏のうだる暑さ、へばりつく湿気、それだけで疲れてしまう。一寸詰まった仕事を終えて帰宅、食事を取り終えるとバタッとベットに倒れ込んでしまう。と、突然大音響。重機関銃が爆裂したようなドッドッドッという響が寝室にまで届く。はっと飛び起き、何時かと、携帯を見やると夜中の十時。音源とおぼしき先を探しにテラスに出る。目の前で道路工事が始まったのだ。

どうもこちらでは、公共工事は二十四時間構わないらしい。昼夜明け方お構いなし。機材が揃えば、工人が集まれば仕事を続ける。常識らしい。だからみな何も言わない。お上の仕事に口出しはしない。だから夜中に突然地響きのような音が響き渡る。これ常識らしい。

では、民間工事はどうだ。前に住んでいた高級住宅地。高級マンションをにょきにょきと建設中だ。民間も国に習って追い込みになると二十四時間体制。高層から廃材を下に投げ捨てる。ドーンという音があたりを揺るがす。それも早朝。誰も文句は言わないのか。

これも以前住んでいたマンションの話し。上の階の大家、半年にわたって自宅を改装していた。週末をゆっくり休もうと思っていても、突然ドリルの音が。これがずーっと続いていた。ドリルのバイブレーションに酔しれたのではと思ってしまう。ときにはコンクリート釘を打ち込む音。さすがに夜の十時過ぎには終えていた。私は文句を言わなかった。言おうにもどう表現したらいいのかも分からなかった。

もう一人の老頭子と若き妊婦、彼らは同じマンションに住んでいる。このあたり、国際船の発着が可能な大埠頭を建設していた。それに伴い、周辺は大開発中。となりで超高層マンションを建設中。ある日ある晩、彼女が眠りについた途端、甲高い金属音が鳴り続いたという。いわゆるキーキーという、頭に触る音。亭主は出張中ということで、若きご婦人一人、現場に乗り込むわけに行かず、電話をかけたそうだ。現場の人間曰く、「文句を言ってきたのはあなた一人ですよ」。で、またまたカチンと来て持ち前の強気な発言で黙らせたらしい。

かつての日本、高度成長期の東京はどうだったろうか。今でこそ、工事時間は法で決められ、真夜中にうるさい音はなくなっているはずだ。みな同じ路を通り過ぎていくのだろうか。

[ 写真: 廈門は岩の島である。一寸掘るとばかでかい岩が首を出す。大きな工事現場では、ハッパをかけ、砕いて運び出すが、人通りの多い路の脇なぞでは、重機を使い、時間をかけ、小さく小さくして運び出す。 ]

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