Tuesday, August 22, 2006

[廈門通信] 言語のるつぼ

[廈門・76日目] 言語のるつぼ
私は企画部の人間なのです。まだ場所が定まらず、営建部のボスの椅子に居候している。営建部、いわゆる工務部の人間はいろいろな地方からやってきている。四川省のどこかから、天津から、山東省から、浙江省、地元の福建省などなど。おかげでいろいろな方言を聞くことができる。聞くことができても、話のわからないことが多い。彼ら自身は標準語を話しているつもりでも、脇から聞いていると、どう見ても標準語とは言い難い。

四川省のオヤジは働き者だ。現場が追い込みとあって、朝の7時から晩の11時まで、根詰めて現場を見て回っている。天津からやってきているオヤジは口うるさい。ガミガミと職人を叱りとばしている。この二人の発音は独特なのです。とくに天津のオヤジの巻き舌は面白い。面白いので中国語の教師の前でまねしてみせると、「難聴死了!」 (nan2 ting1 si3 le・聞くに堪えられない!)と言われる。

福建省という一つの省の中でも南と北と東と西と、一山越えると全く異なった方言をもっているらしい。以前の運転手が福建省の北の南平の出身。言葉を切るような話し方をする。中国語の教師にしても、時に運転手の話を聞き取れないという。中国語の教師は客家人。客家語は全く他の人には通じない。

福建省では台湾語に近いミンナン語が地方語。私のボスは、相手がミンナン語が話せるとわかると、台湾語でまくし立てる。それでもミンナン語と台湾語では違いも大きい。ひたすら聞き役に回っている地元の人間も少なくない。

かく各様に現場事務所では地方語が飛び交っている。ボスのボスは私に三ヶ月で中国語を聞いて解るようになれと指令を下したのですが、相手次第では至難の業というより他にない。さあどうなることやら・・・

昨日中国語のテストが行われました。暗記と書き取り。何とか80点を獲得。まあまあと言うところでしょうか。

[写真は廈門の旧市街地で偶然見た火災跡の住居。後で知ったことですが、この家は前の運転手の住んでいたところ。不審火は隣の家から出たものだそうだ。今はこの向かいに移っていると話してくれた。]

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