やはり田舎に住みたい、それも農村、村人の生活と共に過ごしてみたい。周りの人間は言う、危ないですよ外国人がそんな中にないったら、私の別荘を使ってください、日に一度連絡いただければ安心です。いや違うんだ、畑耕して……大丈夫です、庭は広いですから畑にしていただいても……。アタシのライフスタイルはなかなか理解してもらえない。
ガッコの先生と一度アモイ市郊外、同安という農村を訪れた。手配してくれたのは、かつて農業行政に携わっていた方。一声で地元農村出のお嬢さんたちがハイハイと案内してくれた。なだらかな丘陵地帯、北に山、南傾斜、風水上申し分ない。そして何より魅力的だったのは、地酒工場があったこと。地場産業があるというのは村の魅力の一つだ。
レンガ建て四棟の建物、中心に窯から上がったばかりのコメを戸板に広げ、そのまま引出し天日干し、コメ麹をまぶして樽に詰める。あとは発酵を待って土瓶に注ぎ込む。米蔵の棟、コメを炊く棟、麹をまぶし発酵を待つ棟、そして土瓶に寝かす棟が効率よく並べられていた。
小さな村はずれにある工場、ふらっと入りこんでいってもだれも気にもしない。何かを持ち出されるとか盗まれるとか心配の様子もない。そんな村、危険だろうか。塀をめぐらし、ガードマンを置き、ビデオ監視装置があるような別荘地こそ危険極まりそうだ。
[ MEMO: 逆に心配だったのは、こんなスケールの生産量で採算が成り立つのか、という素朴な疑問。欲をかかなければずーっと続けられるのかもしれない。あくせくせず、時間をかけ、コメの発酵を見ながら日々それを繰り返す。土地とともに生きている限り可能なのだろう。 ]
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