Wednesday, May 7, 2008

[廈門] 聖火が町にやってくる

ここアモイで出会う人間が政治を語るのを聞く機会は少ない。興味がないのか、語りたくないのか。それでも「日本人」と「南京」との関係は結構しつっこく問い詰められる。悪意を持っていわれるわけではないが、30万人が・・・といわれると「できるわけないだろー」と言い返している。

オリンピックは政治なのか純スポーツなのか、まあどちらもだろう。東京だってそうだったし、ソウルだってそうだった。ヒットラーは純粋に国策を謳っていた。ここが違うなんてだれも思っていやしない。そもそも夏のオリンピックなぞ興味を持ったことがなかった。今回もそうだ、ったのだが、聖火が香港に到着するや否や、テレビと新聞は今までの苦渋の報道から解放されてか、連日連夜聖火報道でにぎわっている。否が応でも耳にし、目にすることとなった。

ウェブニュースのオリンピック関連記事も華やか極まりない。四月末日が開会式まであと100日ということで、万里の長城は赤い旗と群衆で埋められていた。北京の天安門広場では、ボランティアの若い連中がこぶしを差し出し、[“你我同心”“同一个世界,同一个梦想”](中国語)、「同じ心」「一つの世界、一つの夢」とシュプレヒコールが聞こえてくる。

香港に移る前、韓国ですったもんだした聖火が朝鮮にわたっている。「同じ心」「一つの世界、一つの夢」は、ここで見事に花咲いたらしい。1枚の写真がそう語っている。この「同じ心」「一つの世界、一つの夢」、自由主義社会では勝手が違うのだろう、聖火を見守る沿道には、始終二つの旗が振られていたようだ。割りを食ったのはフランスか。ここアモイにもカルフールがある。カルフール不買運動とデモが不定期に盛り上がっているこの地、それでもアモイはわれ関せずらしい。彼らはお金を愛し、身を飾ることを受け入れている。

ファッションという世界、身を飾ることを売りにしている業界は目ざとい。オリンピックを応援しましょう、私のファッション雑誌は4周年目を迎えました、オリンピック特集を組みました、みなさんお買いになってください・・・。細身の八頭身モデルが種目をシミュレーションして見せてくれている。オリンピックは商売ネタでもあるのだ。彼ら、決してこの機を見逃すことはない。

聖火がアモイにやってくるらしい。今日は確か広州あたり、沿道を真っ赤に染めた中を走り抜けているようだ。そしてアモイ。12日土曜日だという。さあ旗でも振ってみるかー(いや冗談冗談)。

[ MEMO: ウェッブ上のオリンピックの記事の脇には、精神異常の女性が全裸で街を徘徊し警察に保護された写真付きの記事が。町はあまりにも急激に動きすぎているのだろう。アタシがシンさんに送ったメールで、ここでは優しい顔の女性を見る機会が少ないと。 ]

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