Sunday, June 24, 2007

[廈門・381天] 粽子

ここ廈門に来てからというもの、季節感が希薄になった。四季が気にならない。四季がはっきりしない。冬という気配が薄い。かつて、千葉は勝間で、夏はうだり、冬は指先に息をかけていたことが懐かしい。なにしろ北回帰線に近い。廈門より南へ、広東省汕頭市の北部が北回帰線にあたる。亜熱帯なのだ。

それでも先週の火曜日、こちらは端午節。農暦の五月五日、こどもの日だ。若き妊婦が、「ママがつくった粽よ」と、手作り粽をくれた。粽子 ( zhong1 zi ) と呼ぶ。肉汁のしっかり染みこんだ、味の濃いつくりだった。別の女性、北の遠い遠い町の出の女性、彼女の手作り粽は白いもち米のまま、なかに甘い果実。広く大きい中国、味も様々。それぞれ美味しくいただいた。

雨期は去ったようだ。誰かが教えてくれた。端午節から夏だと。本社ビルの回廊から空を見上げれば入道雲。窓際のあたしの席は、ガラス越しに熱気が伝わってくる。おかげですぐ眠くなる。連日の三十度越え、寝苦しい。仕方なく空調を入れる。部屋のドアというドアを開け放し、居間の空調機一台、全開である。季節が移ったのだ。

そういえば、旧友のシンさん、横浜は山の手の瀟洒な画廊で個展を開いていたはずだ。今日は最終日、ご紹介するのがおくれてしまった。遠い日本から届いたDMには、「・・・今回、HANAと題して、たぶんこういう絵描きは一人もいないだろうという構成で展示する。貴君にも見てもらいたいが、今は無理そうなので、DM でも見て下さい。・・・」、と。

[ 写真: 粽は蒸して喰らう。鍋に水を溜め、浮かした皿に粽を載せ、十分ほど蒸す。いい匂いが厨房に漂う。包んだ竹の葉をほぐし、肉汁で色づいたもち米を箸で崩すと、なかには柔らかな豚肉が。 ]

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