Thursday, October 12, 2006

[廈門・127日] 游土楼-IV

土楼で生活してみる、できることなら。福建省の西部、福西地区に多く点在する土楼、観光用に整備され公開されているものもあれば、いまだになかで生活を営んでいる土楼もある。生活するには不十分な設備しか与えられておらず、作り直そうにも国家文化財の指定を受けていればそれもままならない。そのためか、土楼で生きている人たちには老人が多い。小さな子供の姿もしばしば見受けられるのは、両親が外地で働いているため、ジジババが孫の面倒を見ているからだ。

土楼を案内してくれたホテル嬢は、ここで生活している風景が「脏 zang1 (汚らしい) 」という。たしかにあちこち痛んでいたり、生ゴミが散らかっていたり、小動物の糞で靴を汚しそうになったりした。それでもわたしには汚らしいという感じはしなかった。なぜなら、ここには最新文明の産物がほとんど見当たらない。特に石化製品がない。おかげで空気も水も土も汚されずにすんでいる。わたしには桃源郷のような環境なのだ。

帰り際に前の運転手がこんなことを口にした。「burikinekoさん、ここに住みたいですか?土地は安いし、土楼を買って手を加えて土を耕せば長生きできますよ」。彼のわたしのライフスタイルを理解しての発言だ。一考の価値ありか、廈門に戻って頭の片隅から引き出してみた。ここ廈門は、わたしには、魅力的な小都市として映っていることに気がついた。ここの生活環境は棄てがたい。土楼への移住はしばらく先に考えることにした。

[ 写真: 土楼のなかを好き勝手に走り回って運動している家鴨たち。食するに適当に脂ののった肉になっているに違いない。 ]

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