Tuesday, October 3, 2006

[廈門・118日] 游土楼

こちら廈門に来て念願だった麗江を訪れたものの、納四文化そのものが観光化されていたのを見て失望し、満州ではあまりにも荒れた風景に衝撃を受け、そこそ こに廈門に逃げ帰ってしまったまま過ごしてきた。ここ廈門は外地の人間にとってとても過ごしやすい都市なのだ。知らずに訪れたとはいえ、この地を紹介して くれた元ボスに感謝しなければならない。

現在「? [ 門+虫 ] 南古鎮」と名打った計画案がある。福建の歴史文化を建築群で表現しようという意欲的なもの。ただ意欲的なのはいいが私から見れば絵空事のような図面、これから建設を進めていく人間には多大な苦労が伴うだろう。

福建を代表する歴史的な建造物には、馬祖廟、騎楼、そして土楼を思い浮かべる。馬祖廟は海の守り神を祭ったもの。福建省の沿岸都市には何らかの馬祖廟を見 ることができる。台湾ではことさら多い。遠く東南アジアの華僑が移り住んだ都市でもしばしば見ることができる。騎楼、アーケードを持った商店街。高温多湿 でスコールの多い街に向いたつくり。これも集まって住み商売をする中華圏独特な風景だ。

そして土楼。最大八十メートルにも及ぶ円形の、最大一メートル八百もある厚い土壁で外部からの侵入を頑固に守るようつくられた集合住宅を指している。山奥 の、外部から人の近づきにくい地を選び、集団で生活し続けてきた客家人独特の住居だ。これを日本に紹介したのは同斑同学 [ tong2 ban1 tong2 xue2 同じ専攻の同級生 ] の K 教授。もう二十年前ぐらいのことだろうか。一冊の本になり、そこに収録された土楼を見、私はかなりの衝撃を受けたことを覚えている。中国は深いと。

国慶節の一週間の休みを利用し、一泊二日、私は期待の土楼を見に出かけてきた。今では観光拠点としてこの休みに訪れた人間は少なくない。それでも土楼は私を魅了してくれた。ここには実存感があった・・・。

[ 写真: 地図と土楼を紹介したガイドブックを手に、土楼群のある二つの地点を一日かけてみて回ってきた。まだまだ他の地に数多く残され、今でも一部の人たちが住み続けている。暇を見つけて全てを見て回るつもりだ。 ]

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