Friday, September 1, 2006

[廈門通信] ラッフルズホテル

[廈門・86日目] ラッフルズホテル
こちらの仕事場ではろくな事しか起きていない。覇権争い、権謀術策、「配下」という旧体制の組織形態、極度の家族意識などなど。脅しと侮べつ。配下の人間にとってこれほど怖ろしいことはない。一言で職を失う。どうにかなるさの私のような人間なら何ともないが、明日の生活がかかっているものは従うほかに手だてはない。そのような出来事を間近で見てきたので、最近は早めに仕事場を抜け出すようにしている。

幹部は完成間近のホテルのブッフェで朝昼晩と食事を許されている。一応ファイブスターと名乗っているだけあって、味はそこそこ。ある幹部は常にここで食事をとっている。よくも飽きないものかと思うのだが、当の本人は「ここの食事で最近は体調がいい」といっている。ある幹部は夕食時、運転手にご婦人を迎えによこさせブッフェでディナー。翌日、私に「昨日は何を食べたの?」、と聞く。「家で野菜サラダのほかに云々」という。「私はこれこれを食し、何ともすばらしい・・・羨ましくないか?」。冗談じゃあない、ナイフとフォークの使い方もわからない人間に、あれこれいわれる筋合いなぞない。私は堂々と嘘を口にする。「私はベジタリアンです。あのような肉類は口にしません」。

周りに幹部たちの顔を見ることなく食事のできる、最近の私のお気に入りな場所と時間はどこか。湖畔のイタメシ屋のウッドデッキで食事をとること、職場の上下関係から離れた我が秘書兼中国語教師ともとの運転手と私の自由同盟三人とで自宅で食事をすること。この場所と時間を今の私は一番気に入っている。

もしホテルで食事をとるなら、英国流の慇懃無礼さが残るシンガポールのラッフルズホテルあたりがいい。(http://www.raffleshotel.com/)

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