Friday, September 8, 2006

[廈門・93日目] 男が泣くとき・・・

ホテル開幕式典前夜、私が模範としている台湾のGMがこちらにやってきた。一年ぶりの再会だ。同行したのは我が元ボスの弟。私が模範とするGMと元ボスの弟との再会。元ボスにとっても長い間不仲だった関係を修復したい思いがあったかもしれない。模範GMは私を元ボスに紹介してくれた間柄。三人は模範GMによって繋がっていた。元ボスも、模範GMを一つも二つも深い関係だと考えている。それにこのホテル建設をここまで引っ張ってくるまでの苦悩の十一ヶ月を伝えたかっただろう。元ボスと模範GMの再会は思いもかけない展開となった。

開幕前夜、私はホテルの中庭で二人の到着を心待ちしていた。まもなく二人の姿を確認、握手で出迎えた。元ボスが宴席を用意しているというのでそちらに向かう。薄暗い廊下の先に元ボスの姿を見つけ我々は近づく。元ボス、軽く手を挙げこちらに。その瞬間、元ボスは模範GMの肩に顔を埋め泣き崩れた。全く予想もしていなかったことだった。上の人間の話を聞かず、自分流でしか仕事を進めず、おかげで彼らに嫌われ、悪いことに彼の秘書夫妻の間柄を裂くような事態まで引き起こしていた。あれほど強気で威厳を保ち弱みを見せなかった男が泣いた。彼の苦悩を知っている私も思わずもらい泣きしてしまった。私が最後に人前で泣いたのは、先だった連れあいの葬儀の時以外思い浮かばない。そのときは脇に愛娘が「みっともない」とおしりをつねってくれたが、今はそんな人間もいない。かわりに模範GMが優しく肩を叩いてくれた。

[写真はホテル開幕式典の予行演習に励む演技者たち]

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