Sunday, October 8, 2006

[廈門・123日] 游土楼-III

饒舌なガイドの案内に頭の中がゴロゴロしたあと、四キロ先の高頭鎮高北村の土楼を訪れた。土楼が寄り集まっているわけでなく、ただただ大きな円楼と四角楼があるだけ。円楼は福建省の土楼の中でも最大だそうだ。四角楼は最も古いらしい。ここで見所だったのは、案内してくれた老人。若く、土楼に生まれ育ったわけではないガイドと違って、老人はここが生まれ出てから六十年あまりを過ごしてきた場所である。話に重みがある。実在感がある。おかげでわたしはこの土楼に愛着が生まれたぐらいだ。

特に風水を重んじた客家人が、いかに風水をこの土楼に応用していったかの話の部分は、建築を専門とする人間を引きつけるに十分だった。若く饒舌なガイド嬢も風水の関わりを説明してくれたが、老人の口から出た話は、道理を説いて面白いのだ。この話をご紹介したいのだが、ちょっといい加減になりそうなので、時間をかけ整理したら後日紹介してみたい。

円楼と四角楼をじっくり見学したあと、四角楼の出口でお茶していたご老人たちと雑談をしてきた。どうということのないとりとめのない会話だったが、腰を下ろし、煙草を交わし、ただただ時間が過ぎていった。不思議なもので、土楼の壁の暖かさがこちらにも伝わってきた。これは麗江古城では体験できなかったことだ。土は木よりも安定感を与えてくれた。

[ 写真: 円楼と四角楼の合間。ご老人はこの関係は風水から生まれたものだと語った。二つの建物には脈絡がなさそうだが、視線の先の建物が重要だという。この結果、円楼の外壁は長い間修理の必要がなかったのだという。確かに四角楼の外壁は痛みが大きかった。風道が関係しているのだろうか。 ]

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