建築のデザインの仕事に携わっている関係で、こちらの建物で思わず「エー」っという場面に遭遇して驚かされる。上の写真もその一つ。
高級マンションに限らず、建物の表面がとても賑やかなことにすぐ気が付く。立面がとても変化に富んでいる。開口部、テラスなどなどだ。部屋を購入後、住み手さんが好きなように改装しているのだ。裸売りが原則なここでは、インテリアは住み手の好きなように仕立てられる。おかげで窓のサッシュの形状がみな違ったり、ガラスの色もまちまち、盗難予防にと籠で覆ってしまったり、バルコニーの先にサッシを移動させてインテリア化したり......。
今でこそ少なくなったようだが、屋上はそれこそ違法建築のオンパレード、仮設造りの、ときにはブロック積みで部屋を作ってしまう。鉄骨にスレートやトタン屋根、あたしの部屋からはそんなバラックを一望できる。バラックも集合すると味のあるスカイラインを形成してしまうという、到底設計図を引いて計画的になんて作れない。それでいてある魅力を生み出しているから何とも不思議だ。
こちらの部屋の広さはかなり大きい。だいたい一軒三十坪。三世代で住む習慣の名残だろう。今では台北市も単身者が多くなり、昔は共同でひと部屋をシェアリングしていたが、それを四つか五つのワンルームに改造して貸し出している。アタシの部屋もそうだ。おかげで建物に入るカギ、シェアしている部屋の元カギ、部屋の鍵と夏場にドアを開けっ放しにし痛風を確保する格子状の扉の鍵、最低でも四つの扉を開けなければならない。
そのおかげでマンションの部屋数は一挙に数倍になる。公共料金の課金をするにもメーター類も数倍。写真はマンション屋上風景。みなガスメーターである。メーターが屋上にあるということは、一度建物に入ったガス管は屋上から各部屋に分けられて送られる。他に水道管も床を這っている。後付けで配管しているので、屋上のもともとのスラブの上を水道管が這いまわっている。それにしてもこれだけメーターが並ぶと壮観である。
[追記:他にも水道メーターの写真があったりでついついタイトルから誤記してしまった。謹んで訂正します。それにしても年の瀬の感なしのここ台北なのです。]
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