Sunday, August 24, 2008

[廈門] 石屋さんは働き者

一週間前からその前兆はあった。それがついに現実となった。また石屋さんが働きはじめたのだ。身体の中の石屋さん、少しづつ少しづつ働いていたらしい。小さな小さな石の粉末を日長に集めていたらしい。いつもなら日に二リットルの飲み水に流されていた粉末が、こちとらの不摂生もあって怠けていたのがいけなかったのだろう、てき面に顕われてしまった。そう尿路の結石が大きくなったらしい。右の腰に鈍痛が出たのだ。初めての時と違い、状況はつかめていたし、処方も今では知っている。台湾人医者が用意してくれた薬を一錠飲んだところだ。結石用鎮痛剤、夜中が恐ろしいので寝る前にもう一錠。あーなんてことだ。

アタシの部屋は石の粉末ならぬコンクリートの粉末が降り積もっている。超高層マンションの改装で、床壁を所かまわずコンクリートカッターなどで削りまくっており、室内を裸で売る、トイレも台所も一切無しのこちらの習慣にそって、オーナーが好き勝手にイメージを広げ、工事人は本来のトイレや台所の給排水管を床の中に埋め込もうとする。騒がしいのだ。埃だらけなのだ。この真夏の高温の中、住む人間も扉をあけっぱなし、否応なしに粉末が入りこんでくる。掃き出してもふき取ってもまた翌日吹きこんでくる。相当嫌気を催し、仕方がない、部屋を閉め切るかとクーラーをかければ水なぞ飲む気が起きなくなる。体の中で石固め、体の外から石が体の中に入り込む。ろくでもないところに引っ越してしまった。

アタシを取り巻くすべての環境はチリアクタにまみれているようだ。

[ MEMO: 向かいの部屋のお嬢さん、お会いしたことはないが、仕事から戻る際に廊下をたたくハイヒールの音でアタシは目が覚める。大体朝方七時前後、夜のお仕事のようだ。ある日やけに早々と戻ってきて目が覚めた。五時ちょっとすぎ。仕方がないと、工事前のさわやかな空気でもとテラスにでる。オー、何とちょうど日の出の時間だった。 埃の舞わない朝方、空気もおいしい。]

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