
アタシの部屋は石の粉末ならぬコンクリートの粉末が降り積もっている。超高層マンションの改装で、床壁を所かまわずコンクリートカッターなどで削りまくっており、室内を裸で売る、トイレも台所も一切無しのこちらの習慣にそって、オーナーが好き勝手にイメージを広げ、工事人は本来のトイレや台所の給排水管を床の中に埋め込もうとする。騒がしいのだ。埃だらけなのだ。この真夏の高温の中、住む人間も扉をあけっぱなし、否応なしに粉末が入りこんでくる。掃き出してもふき取ってもまた翌日吹きこんでくる。相当嫌気を催し、仕方がない、部屋を閉め切るかとクーラーをかければ水なぞ飲む気が起きなくなる。体の中で石固め、体の外から石が体の中に入り込む。ろくでもないところに引っ越してしまった。
アタシを取り巻くすべての環境はチリアクタにまみれているようだ。
[ MEMO: 向かいの部屋のお嬢さん、お会いしたことはないが、仕事から戻る際に廊下をたたくハイヒールの音でアタシは目が覚める。大体朝方七時前後、夜のお仕事のようだ。ある日やけに早々と戻ってきて目が覚めた。五時ちょっとすぎ。仕方がないと、工事前のさわやかな空気でもとテラスにでる。オー、何とちょうど日の出の時間だった。 埃の舞わない朝方、空気もおいしい。]
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