Sunday, March 11, 2007

[廈門・278日] 市場が移転

旧正月が過ぎ、春めいてくるのかと思いきや、思いっきり曇天続きだ。薄ら寒いし、気分は暗くなるわでいいことがない。体調もいまいち、若き人妻に「もう歳なんだから・・・注意しなきゃ!」と諭される。別にキツイことをしているわけではない。日本の口悪しき人妻は「ホームシックよ!」と片付ける。私は勝手にこの気候のせいにした。

今日だって朝からどんより。携帯に入ってくる気象予報では最高気温十七度、最低気温十二度。それにしては薄ら寒いのだ。部屋の中はなおさら寒い。出かけてみる。手持ちの金が底をついて、八十元しかない。日本円で千円一寸。銀行のATMへ。こちらでは大きめな店舗はみな日曜日でも開いている。千元引き出し、残高を調べる。会社では年末ボーナスが出なかったという話があったので確認してみる。入っていた。一安心である。急に気分は上向きに。現金なものだ。

マーケットで何か買い足すものがあるか立ち寄る。がらーんとしている。そうだ、改修中だった。仮店舗があるはずだ。裏道へと足を向ける。小さな本当に小さな生活便利店の並ぶ街路にあった。屋台だ。自由市場の雰囲気だ。ほんの少し前まで、ここ中国にはこんな感じの店が至る所に出現していたと聞く。自由経済が始まる前からだ。

ぶらぶらと店先を覗きながら歩いてみる。魚が並び、野菜が並び、豚だ鶏だ家鴨だと肉の塊が投げ捨てられるように積み上げられている。マーケットの良さは新鮮さと小分けになっていること。野菜は必要なだけ鷲づかみにして店の主人に渡せばいい。肉はどんな大きさにも切ってくれる。魚はまだ捌かない状態で並んでいる。購入すると、その場で鱗を剥ぎ、はらわたを取り除いてくれる。結構見ているだけでも楽しい。ここに来るときには小銭をたくさん用意しなければならない。何角(元の十分の一単位)という値が付くからだ。

結局何も買わずに戻った。髪の毛が伸びたので美容院を覗く。客はそれほど多くはなかった。私がいつも指名する31番に客がついていたので、今日は遠慮した。彼は人気美容師なのだ。

腹の調子はいまいち、腰上右の前後にブツブツがでていた。触ると痛がゆい。激辛がなかから吹き出したのだろうか。気持ち悪いものだ。こうして今日一日が過ぎようとしている。

[ 写真: この街路は私のお気に入りだ。靴の修理も、店先床屋も、五元のビールを落花生をつまみにして飲むのも、花屋も、一杯蕎麦もみな揃っている。高級住宅街の裏道である。 ]

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