Tuesday, December 21, 2004

[追伸:台北通信] 05-激しい競争を生き抜くためには・・・

昨 日の[台北通信]でFedExとわたりあってくれたホテルフロントのお嬢さんです。フロントは二交代制!早朝から夜九時半までがワンクルー、そこから明け 方までがもうワンクルー、クルーは一日おきに代わります。昼間は女性クルーが、夜は男性クルー。三人一組です。それ以外にフロントの女性を仕切っている女 性一人にフロアを見回っている男性が一人。フロントの脇にインターネットカフェ(ホテルサービスの一環で無料です)が二十四時間開いていることもあり、ロ ビーに隣接するラウンジでは珈琲を無料で提供しています。私は二度ばかり真夜中にお世話になったことがあります。お酒を飲んだあとの一口です。

以前ご紹介したボーイの「お魚くん」いわく、ここの女性はよく替わるんだそうで、その度にやってきては「ニューフェースです」と紹介してくれました。何か 原因があるのでしょうね。私の滞在期間中にも数人が代わりましたし、一人はやめて二週間もした後に戻ってきたりしてます。あるときラウンジで珈琲を口にし ていると、フロアマネジャーが「彼女、今日で仕事終わりです」というので「エー、辞めちゃうのー」と残念そうに話しかけると、眼をウルウルさせて顔を横に 向けてしまいました。しばらくして戻ってきたのが彼女です・・・

フ ロアマネジャー以外はみな、英語名の小名(ニックネーム)がついています。フロントを仕切っている女性はなかなかの美人、一昔前の台湾の美人でしょうか、 落ち着きがあって大人で物静かで(な感じだということです)・・・彼女の小名はリンダ、かなり違うんじゃない、でした。日本語を理解できる数少ない人間で す。日本人の常連客はすぐに彼女を探してはあれこれ聴いているのを眼にしました。

夜中を仕事にしている男性の場合はというと、これがまたよくぞ揃えたというばかりにおほも達系なのです。なかでも髪を短くしカラーしている男がおります。 彼の上ずった声と腰つきと鍵を私に手渡す際の手つきなど思わずその指先を撫でてあげたくなるほどです。毛唐が多く寝泊りしていますから声をかけられないだ ろうか心配したりしてみたりしましたが。私が遅くに戻って鍵を受け取り立ち去ろうとすると「Good Night!」と甘い声が背中越しに聞こえてきました。

さて、写真のお嬢さんに戻りましょう。彼女、一見かわいらしいのですが、仕事バリバリ、対応すばやく、早口で内容いい加減。何しろ客への対応はすばらし い、客の顔と名前と部屋番号を瞬く間に記憶してしまい、私が戻ってくると「お帰りなさい!」といって鍵が目の前に出てきます。他の女性は、こちらからは見 えないカウンターに記されたリストに目をやりながらの対応ですから、彼女には太刀打ちできません。私が珈琲を飲む習慣のあるのを理解すると、「珈琲です ね」といいながら新人に指図します。しかし一方で「サブウェイ(日本にもあるサンドウィッチ屋さん)ってどこにあるの?」ときくと、正反対の方向を教えて くれたりもします。対応はすばやし、されど定かならず。生き抜くためには、出し抜くためにはこんな生き方も必要なのでしょうか。

部屋は常に満室状態のようでした。それでも空きが出ることがあります。若い二人がフロントで部屋代を聞いて諦めたかと思ったら戻ってなけなしの小遣いをは たきチェックインする様。若い女性を脇にベンツで乗り付けるおじさん。長期滞在でようやく見つけた(んだろうな)女子学生と有頂天になってエレベーターに 乗り込む外国の若者などなど。夜出かけることもなかった私が、ラウンジで何をすることもなく珈琲を飲みながらホテルの客や彼らの様子を見て感じたのは人さ まざまでしょうか。

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