Friday, December 17, 2004

[追伸:台北通信] 02-「鼓馨若響」に救われた二ヶ月

写 りが悪くて分かりにくいかもしれませんが、わたしのiTunesのリストの一部です。台北でのきつい仕事を和ませてくれた一曲を三人の歌手が歌っていま す。昨年、蘇州での厳しい仕事を救ってくれたのも一つの曲、台湾の歌手・張恵妹が歌っていた「聴海」だったのですが、そのアルバムにあった台湾語の一曲、 それが「鼓馨若響」という題名でした。

蘇州から帰国後も、「聴海」ではなく「鼓馨若響」をしばしば繰り返し聴いていました。タンゴのリズムで歌われる雰囲気がなんとも心地よかったからです。今 回も張恵妹が歌う「鼓馨若響」を聴いていたのですが、あるときこの元歌は別にあることを知りました。そしてホテルの近所にある「韓泰美食」という夜食をと りにしばしば訪れていた餐庁(レストラン)で探し当てました・・・

と いうより「鼓馨若響」の元歌を探しているんだけど・・・という問いに店の兄貴が答えてくれたのです。陳昇がその歌手。かれは次に私が店を訪れたときには彼 のCDを用意していました。「この歌は陳昇よりも江恵が一番さ!ただ古い歌だからねー、店では売っていないよ」。江恵は新北投などの歓楽街で、バンドを連 れて酒家などの客の宴席で歌っていた歌手だそうです。向こうで言う「ながし」のことです。聴いてみたくなりました。

江恵の「鼓馨若響」もやはりこの餐庁から手にすることができました。店で流しているバックグラウンド・ミュージックのなかにありました。一度で気に入りま した。甘酸っぱいタンゴのリズムと物悲しい節回し、仕事のことで頭がパンパンになっている外国人の顧問にとって、彼女の声の切なさには酒に酔いかけた味が ありました。陳昇の歌う「鼓馨若響」はどうもコメディアンが会い方とやり取りしながら歌っているような、おふざけな節回しです。それにたいして張恵妹が歌 う「鼓馨若響」は格がある、すばらしいのですが何度も聴くと疲れてしまう。

ということでわたしのiTunesのリストには、この三人の「鼓馨若響」が並ぶことになったのです。そしてホテルでいただいた金門の五十八度の白酒をのどに流しながら聞き入っていました。

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