Wednesday, September 29, 2004

一枚の写真・台南の八人

ア トリエを代々木から勝間へ転居の際にわからなくなった古い写真、納屋に山積みになったダンボールから探し出しました。そのなかから東アジアの旅のきっかけ となった一枚の写真が見つかりました。日本人七人と台湾の建築家一人が写っています。撮影は私。一九八五年五月、台北から車をチャーターし、オーバーヒー トを繰り返してようやくたどり着いた台南のお寺さんの塀の前での記念写真です・・・

台湾での仕事が終わり日本で事務所を始めて間もないころのことです。ろくに仕事もなく、近くで事務所を開いていた 秋山東一 を毎晩のように訪れ、ビールを山のように空けながら、「イヤー台湾はサー」とクダを巻いては、彼の床に穴の開いたワーゲンを運転して帰宅するという生活を送っていました。

秋山、あまりに台湾台湾という私がうるさくなったのか、「オーそれじゃ一度いってみるかー」。集まった八人、夏にさしかかったころ、穏やかだった当時の台 湾の地を踏むことになったのです。トントンおじさんやら、中国将棋やら、暑さにすぐバテる米国のミニバンに乗って(確かシボレーだったかと)、ひたすら南 に南に車を走らせました。皆さん、日本ではなかなか体験できないことを味わった一週間でした。

その後 東アジア世紀末研究会 と称し、アジアの各地を旅するだけの会を開きました。初めての台湾の旅から、まもなく二十年を迎えようとしています。二十年目にはもう一度、台湾を皆さん と訪れてみたいと考えています。ただ残念なのは、このうちお一人はお亡くなりになり、もうひと方が明け方の湯河原でその姿を消してしまったことです。

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