Wednesday, July 14, 2004

「覇王別姫」とレスリー・チャン

昨 夜、「覇王別姫」(93年)がTVで放映されました。京劇の役者の一生を描いたもの。主演者三人のうちの一人・女形役が張國榮、別称レスリー・チャン。私 には「英雄本色」(男たちの挽歌)でキリキリする演技が記憶にありますが、昨年の4月1日投身自殺、原因は男友達と問題があったとか無かったとか。しかし 映画「覇王別姫」はいい、女形役が自身を表現しているのか凄みがあった。
彼が自殺を図ったとき、私は蘇州のホテルでそのニュースを聞いていました・・・

昨年2月末に続いて4月はじめに再度中国・蘇州を訪れました。蘇州での話題は、新聞でもホテルの食堂で流されるテレビ画面でもトップニュースはイラクの戦い。しかし、私の周りでの話題はまずSARS、新型ウィルス性肺炎。なにしろこの発祥は中国ですから。

日を変えて会うごとに、今日はどこどこで何人発症、何人死んだ、空港が怖い、日本を出るときはどうだった・・・。話題はつきません。何しろ中国はイラク戦 争に反対していますから、遠い話題です。彼らが本当に切実なことは自分のこと。死んではお金が儲からない、儲けたお金も死んでしまう。

もう一つ話題はなんと言ってもレスリー・チャンの自殺。ホテルの食堂のテレビが彼の報道を始めると、若い女性従業員がテレビの前に一斉に集まってきて耳を 立て目を釘付けにしています。原因はなにか、男友達がレスリーをコケにした、男友達の名前は唐先生で、彼との出会いはあれこれだったとか、ホテルから飛び 降りた姿に通行人は彼がレスリーとは思えなかったとか・・・しかし話題がイラクの戦いに移るとさーっとお金儲けへ戻っていきました。当たり前ですがニュー スの関心は個人的でした。

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