先週末、かねてからお呼びの掛かっていた案件、山あいの土地を購入するつもりなので見てほしいということで出かけてきた。高鉄・台湾高速鉄道が台北を出、桃園駅を過ぎると辺り一面に霞が。田畑も幻想的。
新竹駅で十五分ほど待たされたあと、土地主の車でその方のお宅へ。そこでなぜか軽トラに乗り換え。県道をちょこっと入ると辺りは田園、一面蓮華の畑。若者のきえた農村、土地に手を入れるほど人出が確保できない、蓮華を植えて畑の土に何とか栄養分を与えようとしてた。まだまだ残されたレンガ積み瓦屋根の農家。曲がりくねった車がすれ違うのもやっとという農道から山道に。せき止められた沢、小さな農業用水の溜池がいくつも見受けられる。
土地購入予定のオバサンと私、軽トラの荷台で、プラスチック製小さな椅子に座り、支柱にしがみつき、右に左に、上下に揺さぶられながら山あいに入って行く。なるほど、これでは普通の乗用車で入っていくには厳しい。しかしそれほどにまでして購入したいとオバサンの気持ちを代弁するように、山道の先には別天地のような光景が。
レンガ壁で囲まれた小さな中庭をもったセルフビルドの小さな管理小屋。ビンロウ樹の森、下草は手入れよろしく、やさしい雑草が土を覆っている。湧水、苔むしたレンガの側溝、ちょうど昼時、日差しはビンロウ樹の森からの木洩れ日、白いタイルを敷き詰めた中庭で持参した板条麺を食する。
静かだ。こんな静けさは久しぶりだ。懐かしい。千葉の片田舎、勝間村の冬、辺り一面雪で覆われた夜、椎の実が枝をたたきながら落ちていく音が聞こえたことを思い出した。
Tuesday, March 9, 2010
Saturday, February 27, 2010
[台北] 路上の演劇 - 歌仔戯
もう一月ほど前になりますか、住まいの裏通りに仮設の舞台がつくられました。布袋戯(ポ一テ一ヒ一)か歌仔戯(コ一ア一ヒ一)が催されるようでした。このふたつ、台湾・大陸福建省あたりでよく見かける大衆芸能の一つです。布袋戯は人形芝居、歌仔戯は台湾オペラ。
数日がたち、日が陰りはじめる時間に部屋の外から賑やかな笛や太鼓、それに独特な歌い回しの歌曲が聞こえてきました。外にでてみると、路上に構えた舞台で華やかな民族衣装で着飾った芸人が演目をこなしています。人形芝居ではなく、台湾オペラの歌仔戯です。路の反対側には仮設テントにテーブルが用意され、人々が加わり、宴たけなわです。これが五日間ぐらいも続いたでしょうか。
隣人に聞いてみました。「誰が主催しているんですか?」。
裏通りのビル一階に間口の小さな一角、そこに廟が設えてあります。その廟が、ご利益がありますようにと説いて参加者を募り開いているのだそうです。何がしかのご布施をし、ともに会食し、台湾オペラを観劇するというわけです。
私が初めて台湾オペラを見たのは、そう、二十数年ほど前のことでしょうか。台湾国内を北から南へ旅する先々で布袋戯や歌仔戯を見かけました。まさかいまどき、現代都市に変貌した台北市内の、それも目抜き通りを一本だけ入ったところで目にしようとは思いもしませんでした。
台北市内には今でもたくさんの廟があります。ほぼ一街区に一つはあるのではないでしょうか。そしてこれらの廟が土地開発の際に動かせない、移動させられない、未来永劫土地の守り神であり続ける、かのようです。仕事柄、土地開発の計画地内、もしくは隣接して廟がありますと、そこをうまく避けながら、うまく取り入れながら計画しなければなりませんでしたね。
数日がたち、日が陰りはじめる時間に部屋の外から賑やかな笛や太鼓、それに独特な歌い回しの歌曲が聞こえてきました。外にでてみると、路上に構えた舞台で華やかな民族衣装で着飾った芸人が演目をこなしています。人形芝居ではなく、台湾オペラの歌仔戯です。路の反対側には仮設テントにテーブルが用意され、人々が加わり、宴たけなわです。これが五日間ぐらいも続いたでしょうか。
隣人に聞いてみました。「誰が主催しているんですか?」。
裏通りのビル一階に間口の小さな一角、そこに廟が設えてあります。その廟が、ご利益がありますようにと説いて参加者を募り開いているのだそうです。何がしかのご布施をし、ともに会食し、台湾オペラを観劇するというわけです。
私が初めて台湾オペラを見たのは、そう、二十数年ほど前のことでしょうか。台湾国内を北から南へ旅する先々で布袋戯や歌仔戯を見かけました。まさかいまどき、現代都市に変貌した台北市内の、それも目抜き通りを一本だけ入ったところで目にしようとは思いもしませんでした。
台北市内には今でもたくさんの廟があります。ほぼ一街区に一つはあるのではないでしょうか。そしてこれらの廟が土地開発の際に動かせない、移動させられない、未来永劫土地の守り神であり続ける、かのようです。仕事柄、土地開発の計画地内、もしくは隣接して廟がありますと、そこをうまく避けながら、うまく取り入れながら計画しなければなりませんでしたね。
Sunday, February 21, 2010
[台北] 管理人・楊さんからの贈り物
私が住んでいるマンションの管理人は楊さんといいます。一階の、小さな小さな管理室が彼の仕事場です。新聞社の印刷部門を退職後、しばらくしてここを仕事場に選んだそうです。楊さんの仕事場からは、マンションの出入り口が見渡せ、そして脇にエレベーターがあり、住民の動向や出入りする人間を見続けてきたことになります。
十年もそこに陣取っていればちょっとした小説が書けるぐらいになっているわけです。話好きな我が隣人が楊さんの取材を重ねては私に話してくれます。ここで語るにはちょっとその方々の深い深いプライバシーに立ち入ることになりますんで、一つだけ。
ある階のある部屋のあるオバサンはご老人相手に媚薬を授けているとか。ある階のある部屋のあるオバサンは久しくご無沙汰だったんで楊さんに頼み込んだそーで、でも丁重にお断りしたとか。ある階のある部屋のあるおねーさん、彼氏が大陸に出かけたまま戻らない、で彼氏の衣服など一切合財をゴミ置き場にほおり投げて引っ越していったとか。一つだけではなかったですね。
そう、ゴミ置き場の管理と始末も楊さんの仕事の一つなんです。ゴミを分別する、分別してゴミ収集車まで持っていく。ゴミの分別をしていると、信じられないようなゴミがでてくる。これがゴミかという類ですね。先ほどの彼氏の衣服もそうです。彼女にとって、大陸で新しい情人をつくっていること疑いなしと、頭の中も心の中も彼氏はゴミ屑でしかなくなっていたんでしょうね。
他にもまだまだ使える小物、陶器磁器、家具。そのなかから、私が灰皿代わりにいただいたのが魚を模した小皿。釉薬が一部かかっていないハネモノですが、形といい、色合いといい、申し分ありません。楊さんからの最高の贈り物でした。人間もそうですが、モノってそれを手にする人により活き死にするもんですね。
十年もそこに陣取っていればちょっとした小説が書けるぐらいになっているわけです。話好きな我が隣人が楊さんの取材を重ねては私に話してくれます。ここで語るにはちょっとその方々の深い深いプライバシーに立ち入ることになりますんで、一つだけ。
ある階のある部屋のあるオバサンはご老人相手に媚薬を授けているとか。ある階のある部屋のあるオバサンは久しくご無沙汰だったんで楊さんに頼み込んだそーで、でも丁重にお断りしたとか。ある階のある部屋のあるおねーさん、彼氏が大陸に出かけたまま戻らない、で彼氏の衣服など一切合財をゴミ置き場にほおり投げて引っ越していったとか。一つだけではなかったですね。
そう、ゴミ置き場の管理と始末も楊さんの仕事の一つなんです。ゴミを分別する、分別してゴミ収集車まで持っていく。ゴミの分別をしていると、信じられないようなゴミがでてくる。これがゴミかという類ですね。先ほどの彼氏の衣服もそうです。彼女にとって、大陸で新しい情人をつくっていること疑いなしと、頭の中も心の中も彼氏はゴミ屑でしかなくなっていたんでしょうね。
他にもまだまだ使える小物、陶器磁器、家具。そのなかから、私が灰皿代わりにいただいたのが魚を模した小皿。釉薬が一部かかっていないハネモノですが、形といい、色合いといい、申し分ありません。楊さんからの最高の贈り物でした。人間もそうですが、モノってそれを手にする人により活き死にするもんですね。
Sunday, February 14, 2010
[中国北部] 一枚の写真
一枚の写真があります。二年ほど前、廈門滞在時に中国のブログを覗いていた時に見つけたものです。「ただただ涙 - 貧乏人の子供たちの真の生活 - 感じずして人でなし」とタイトルが付いていました。二十枚ほどの組み写真で、コメントは一切入っておらず、引用なのか本人が撮影した写真なのかもわかりません。
中国北部と思われる寒村、冬が背景、村の数少ない樹木には葉一枚足りもなし、家屋は日干しレンガを積み上げただけ、そんな村の学校に通う生徒たちの点描写真。どの子どもたちもほっぺは真っ赤、手はあかぎれ、鼻水も。意識的なのかわかりませんが、涙を流している子供を撮影したものが多くありました。テーマを強調したかったのかもしれません。そんな中、ここにあげた少女の写真が深く記憶に残りました。
賞状、粗末ながら乱れのない服装、髪はほこりでまみれているようにも見えます。彼女はしっかりと立ち、賞状の両端を広げ、それを軒先に座っている父親に見せています。少女の顔からはなにも読み取ることはできません。しかし凛とした感が伝わってきます。私には彼女がとても美しく見えました。愛おしくも感じました。私は貧困を強調することは好きではありません。この一枚の写真が証明してくれていると思いました。
今日は農歴の正月、この村の子供たち、そして写真の少女はどう過ごそうとしているのかとても知りたくなっています。
[掲載先:齐鲁小农的图库 http://tomcatjerrymouse.blog.163.com/blog/static/45104320072133616404/ ]
中国北部と思われる寒村、冬が背景、村の数少ない樹木には葉一枚足りもなし、家屋は日干しレンガを積み上げただけ、そんな村の学校に通う生徒たちの点描写真。どの子どもたちもほっぺは真っ赤、手はあかぎれ、鼻水も。意識的なのかわかりませんが、涙を流している子供を撮影したものが多くありました。テーマを強調したかったのかもしれません。そんな中、ここにあげた少女の写真が深く記憶に残りました。
賞状、粗末ながら乱れのない服装、髪はほこりでまみれているようにも見えます。彼女はしっかりと立ち、賞状の両端を広げ、それを軒先に座っている父親に見せています。少女の顔からはなにも読み取ることはできません。しかし凛とした感が伝わってきます。私には彼女がとても美しく見えました。愛おしくも感じました。私は貧困を強調することは好きではありません。この一枚の写真が証明してくれていると思いました。
今日は農歴の正月、この村の子供たち、そして写真の少女はどう過ごそうとしているのかとても知りたくなっています。
[掲載先:齐鲁小农的图库 http://tomcatjerrymouse.blog.163.com/blog/static/45104320072133616404/ ]
Friday, February 12, 2010
[台北] 「紅」色
スカイプの友たちの姿が画面から消えた。
いよいよ漢人たち最大のイベントが始まります。農歴の旧正月が目前なのです。大陸では仕事場からスカイプしていた連中もきっと皆里帰りを始めたのでしょう、彼らがグレー表示に変ったままです。しかし街中はきっと「紅」いろ一色でしょう。「紅」色なくしてこのイベントは成り立ちません。この紅色、国が定めた色でもあるんです。おおきくは「大紅」、国家レベルで使用している色、そして「小紅」、一般的に使われている紅色。中国のサイトなどで注意して見てみると分かるはずです。
それだけ重要な色だけに、中国語のなかで使われるといろいろな意味合いを帯びてきます。たとえば......
紅 [hóng]
1. red 色まさに紅
2. popular 大衆的
3. bonus 紅包
4. successful 成功
等々
2の "popular" は由来がわからないのですが、どこか社会主義国的に翻訳されている気もします。
3の "bonus" 紅包 [hóngbāo] はお年玉、謝礼などの意味。紅色の封筒に入れて手渡すことからきています。
4の ”successful” 成功、成功者などを表現するときによく使います。
「你 ( nǐ ) 紅的!」と言われれば「おまえやったな!」って感じで羨ましがられるでしょう。「最紅的小姐」なら「最も売れっ子の女子」。写真の女子ならば「中国最紅的人体模特」・「いま中国で最も人気のある人体モデル」となります。
しかしこの写真、モデルもさることながら赤が実に美しい。
いよいよ漢人たち最大のイベントが始まります。農歴の旧正月が目前なのです。大陸では仕事場からスカイプしていた連中もきっと皆里帰りを始めたのでしょう、彼らがグレー表示に変ったままです。しかし街中はきっと「紅」いろ一色でしょう。「紅」色なくしてこのイベントは成り立ちません。この紅色、国が定めた色でもあるんです。おおきくは「大紅」、国家レベルで使用している色、そして「小紅」、一般的に使われている紅色。中国のサイトなどで注意して見てみると分かるはずです。
それだけ重要な色だけに、中国語のなかで使われるといろいろな意味合いを帯びてきます。たとえば......
紅 [hóng]
1. red 色まさに紅
2. popular 大衆的
3. bonus 紅包
4. successful 成功
等々
2の "popular" は由来がわからないのですが、どこか社会主義国的に翻訳されている気もします。
3の "bonus" 紅包 [hóngbāo] はお年玉、謝礼などの意味。紅色の封筒に入れて手渡すことからきています。
4の ”successful” 成功、成功者などを表現するときによく使います。
「你 ( nǐ ) 紅的!」と言われれば「おまえやったな!」って感じで羨ましがられるでしょう。「最紅的小姐」なら「最も売れっ子の女子」。写真の女子ならば「中国最紅的人体模特」・「いま中国で最も人気のある人体モデル」となります。
しかしこの写真、モデルもさることながら赤が実に美しい。
Thursday, February 11, 2010
[台北] "つぶやいて"います......
シンさんからメールが届いた。前回返事を出さなかったので、もしや何かあったのでは、などと気を回されたとも思えませんが、知人への消息を怠ってはいけません。返事を書いていていて、ついでにこのメールをブログしてしまえと、シンさんに無許可で上載しちゃいます。
シンさんへ:
あさってが農歴の大晦日、そして九日間の休日の始まりで、街中はその準備中、ジジは暇を持て余しておる。町中から若いお嬢の姿が消えてしまうのが何と言ってもさびしい。さらなる問題は食い物の確保だ。
常日頃贔屓にしている素食屋も五日間のお休みだというので、テークアウトしては冷凍庫に詰め込んでおる。店のおバンが聞くんですね、「そんなに買い込んで家族の分?一緒に店に来ればいいのに。味が落ちますよ」。適当に答えておきましたけどね。寂しい限りであります。
メールの文面から、ブログの更新が途絶えているので、もしやわがジジの身に何かあったのではとご心配いただいたかどうかわからぬが、肉くらわねば、恐らく、体調はいいと勝手に決め付けております。クソ色も肌の色もよいのであります。
twitterという流行り言葉はお聞きになったことがあるかと思います。これが携帯からも手軽で気楽でなにも返事を期待しているわけでもないものの、動画も静止画もアップでき、最近は手持ちの収蔵写真、とくに大陸関係のものを投稿してご覧いただいておる。いまのところ、大陸ではtwitterが繋がらないこともあり、問題と思われる写真など掲載しても特務機関から追及されることはないだろうと、そちらのほうに力を入れている次第であります。アタシのブログの右側サイドバーにtwitter欄がありますので、ご参考あれ。
前回いただいたメールで話題にされた、廈門へと逃避したジジイですが、大陸では大ボラでなければ生きていくのもままならず、そのスタイルは彼の最も得意とするところであり、以前にまして口先が滑らかなようです。どっこい生きているようでありす。
春節の間は運動不足解消に町中の公園めぐりでもしてみるつもりです。板橋の林家花園を覗くもよし、茶館でネットもよし、気分転換の一週間にいたします。
ではでは・・・ 明日が大晦日な台北にて ジジ
[写真:先月廈門には小三通を利用した。国内線で金門島に。ターボプロップの小さな旅客機から降り立ち、ターミナルを背にするとこのような風景。]
シンさんへ:
あさってが農歴の大晦日、そして九日間の休日の始まりで、街中はその準備中、ジジは暇を持て余しておる。町中から若いお嬢の姿が消えてしまうのが何と言ってもさびしい。さらなる問題は食い物の確保だ。
常日頃贔屓にしている素食屋も五日間のお休みだというので、テークアウトしては冷凍庫に詰め込んでおる。店のおバンが聞くんですね、「そんなに買い込んで家族の分?一緒に店に来ればいいのに。味が落ちますよ」。適当に答えておきましたけどね。寂しい限りであります。
メールの文面から、ブログの更新が途絶えているので、もしやわがジジの身に何かあったのではとご心配いただいたかどうかわからぬが、肉くらわねば、恐らく、体調はいいと勝手に決め付けております。クソ色も肌の色もよいのであります。
twitterという流行り言葉はお聞きになったことがあるかと思います。これが携帯からも手軽で気楽でなにも返事を期待しているわけでもないものの、動画も静止画もアップでき、最近は手持ちの収蔵写真、とくに大陸関係のものを投稿してご覧いただいておる。いまのところ、大陸ではtwitterが繋がらないこともあり、問題と思われる写真など掲載しても特務機関から追及されることはないだろうと、そちらのほうに力を入れている次第であります。アタシのブログの右側サイドバーにtwitter欄がありますので、ご参考あれ。
前回いただいたメールで話題にされた、廈門へと逃避したジジイですが、大陸では大ボラでなければ生きていくのもままならず、そのスタイルは彼の最も得意とするところであり、以前にまして口先が滑らかなようです。どっこい生きているようでありす。
春節の間は運動不足解消に町中の公園めぐりでもしてみるつもりです。板橋の林家花園を覗くもよし、茶館でネットもよし、気分転換の一週間にいたします。
ではでは・・・ 明日が大晦日な台北にて ジジ
[写真:先月廈門には小三通を利用した。国内線で金門島に。ターボプロップの小さな旅客機から降り立ち、ターミナルを背にするとこのような風景。]
Friday, January 29, 2010
[台北] 悲哀 - II
廈門でこの仲介人の方の身の回りの世話をしたのがかつて廈門で働いていた会社時代の部下だった連中。身体が不自由な彼が滞在しているホテルで二十四時間、夜中のトイレや風呂までも彼らが行っていました。みな自分の生活があるなか、身を呈しての世話でした。しかし外部への連絡でちょっとの間離れただけで人を罵ります。日中、些細な用で会社勤めの彼らを呼び出します。それが当然のことのように振舞っていました。三日もすると彼らも我慢できなくなり始めました。
すぐに問題が顕著になります。まず、北京と連絡ができなかった時点で私と台湾側の投資家とは帰国を勧めました。首を縦に振り同意の意を表したので台湾への切符を手配します。手配を終え、ホテルに戻るとみなが私を非難します。ボスは帰らないと言っている、あなたたちが連れてきたのだからあなたたちが連れて帰ってくれと。
北京の人間との会談が不成功に終わった時点で再度確認します。見込みはありません、帰国しましょう、午後の便が間に合います、よろしいですね? ここでも彼は首を縦にふりました。私は台湾の投資家にその旨伝え席を立ちます。すぐに投資家がやってきて、帰国はしないと言っている、と。
ホテルに戻ったロビーで私は大声を出しました。
受不了你! [ shòubùliǎo nǐ ]
車椅子の彼は悲しそうな目でわたしを見つめるだけで何も言いませんでした。大勢いるホテルのロビー、皆が私たちに視線を投げかけているのがわかりました。
部屋に戻ると彼はほかの人間を外に出します。そして私に語りかけます。アナタハワタシニ汚イ中国語デハナシマシタネ。私は答えます。あなたは自分以外他の人のことを考慮したことがない、面倒を見てくれている彼らがどれほど大変か思うことはしない。あなたが意見をコロコロ変えるのでどれほどのお金を使ったことか。
その日のうちに台湾の投資家と私は廈門空港から台北に向かいました。戻ったその足で彼の母親が住んでいる家に行き状況を報告します。母親は投資家の説明を聞きながらただただ「お願いします、お願いします」と答えています。詳細は分かりません。彼らが台湾語で話していたからです。家を出て投資家に話の概要を聞きます。彼は憤慨している様子でした。投げやりに答えます。わたしたちには廈門に出かけて行っても面倒見切れないので、第一夫人か第二夫人にお願いしてくれと言っていたと。
国に戻れず、台湾人でありながら中国は私の母国だと見栄を切り、中国で死ねれば本望だとうそぶき、死ぬまでの時間をどう過ごすのかは考えていないのです。いや賢い彼です、考えていても語らないだけなのかもしれません。
[写真: これも部屋から。屋上のかつての違法建築群の仮設建造物には人が住みこんでいる。都市化が進み、容積率が上がり、おそらくこれらの違法建築物は合法化されたのかもしれない。なにかこのところの写真は裏窓シリーズのよう。]
すぐに問題が顕著になります。まず、北京と連絡ができなかった時点で私と台湾側の投資家とは帰国を勧めました。首を縦に振り同意の意を表したので台湾への切符を手配します。手配を終え、ホテルに戻るとみなが私を非難します。ボスは帰らないと言っている、あなたたちが連れてきたのだからあなたたちが連れて帰ってくれと。
北京の人間との会談が不成功に終わった時点で再度確認します。見込みはありません、帰国しましょう、午後の便が間に合います、よろしいですね? ここでも彼は首を縦にふりました。私は台湾の投資家にその旨伝え席を立ちます。すぐに投資家がやってきて、帰国はしないと言っている、と。
ホテルに戻ったロビーで私は大声を出しました。
受不了你! [ shòubùliǎo nǐ ]
車椅子の彼は悲しそうな目でわたしを見つめるだけで何も言いませんでした。大勢いるホテルのロビー、皆が私たちに視線を投げかけているのがわかりました。
部屋に戻ると彼はほかの人間を外に出します。そして私に語りかけます。アナタハワタシニ汚イ中国語デハナシマシタネ。私は答えます。あなたは自分以外他の人のことを考慮したことがない、面倒を見てくれている彼らがどれほど大変か思うことはしない。あなたが意見をコロコロ変えるのでどれほどのお金を使ったことか。
その日のうちに台湾の投資家と私は廈門空港から台北に向かいました。戻ったその足で彼の母親が住んでいる家に行き状況を報告します。母親は投資家の説明を聞きながらただただ「お願いします、お願いします」と答えています。詳細は分かりません。彼らが台湾語で話していたからです。家を出て投資家に話の概要を聞きます。彼は憤慨している様子でした。投げやりに答えます。わたしたちには廈門に出かけて行っても面倒見切れないので、第一夫人か第二夫人にお願いしてくれと言っていたと。
国に戻れず、台湾人でありながら中国は私の母国だと見栄を切り、中国で死ねれば本望だとうそぶき、死ぬまでの時間をどう過ごすのかは考えていないのです。いや賢い彼です、考えていても語らないだけなのかもしれません。
[写真: これも部屋から。屋上のかつての違法建築群の仮設建造物には人が住みこんでいる。都市化が進み、容積率が上がり、おそらくこれらの違法建築物は合法化されたのかもしれない。なにかこのところの写真は裏窓シリーズのよう。]
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