[離開 li2kai4 ]:(人、物、場所から)離れる。(クラウン中日辞典)
中国のビジネスマンは、即断で出張ができなければならないそうだ。商機は待っていない。ライバル会社より一時間でも一分でも先に客と顔を合わし、大風呂敷を広げたところから話は始まるのだそうだ。まあ日本でもそうなのだろうが、一応は相手先の都合を聞いてからにする。彼らお構いなしだ。まずその地に飛んで、会社のまえから携帯で今近くまで来ておりましてなんてかますのなぞ序の口である。アポ無し訪問もありなのである。
分け知らずのアタシ、一度その手に載せられたことがある。ある製造メーカーの人間から携帯が入った。あのプロジェクトのこの件だけど、会って話をしたい、今近くにきているのでどうだろうか。プロジェクトの名だけ聞いてハイハイと返事をした。会って話をしているうち、この売り込みは誰から聞いてきたのかと疑問がわいてきた。どこどこ設計院の誰それからだという。そうかそうか、で話を聞き終えた。翌日、また別の売り込みが連絡してきた。かれら、わざわざ通訳まで連れてきていた。誰の紹介かと尋ねると、設計院の誰それ、ん?昨日聞いた名前だぞ、どうなっているんだ。設計院の誰それに連絡を入れてみた。何のことはない、彼、口ごもりながらみなにそれ行けと話を通していたのだ。
打ち合わせの最中、ひっきりなしに彼らの携帯は鳴っている。次々に新しいビジネスの情報が入ってきているようだ。あたしとの話が終わればすぐ、飛行場に向かい、三時間四時間かけ、中国じゅう駆け回るのだ。すばらしいエネルギーである。そしてそれを支えているのが携帯電話である。時間と場所いっさいお構いなしの携帯電話、このツール無しでビジネスは語れない。
多くの連中は、プリペイドカードを挿している。使い切れば路地裏でも手に入るカードを購入すればいい。どこかに置き忘れ、他人が手にしようが使い切ればそれまでである。多額の請求書が送られてくることもない。ただ厄介なのは、域内をはずれると急に電話代が高くなること。人によっては、ビジネスの場所に応じた携帯番号を持っていたりする。まあ、カードを差し替えるだけという簡単さ、携帯を何台も持ち歩くわけではない。
アタシだってそれなりの準備はしている。おかげで国ごとのシムカードが溜まってきている。中国、香港、台湾そして日本。どの地でも使える3Gネットワークはワンナンバーですむものの、かなり電話代がかさむ。相手だって国外にいるアタシに易々とかけられない。というわけで、アタシのリフィールには常時三枚のシムカードが収まっている。
季節のお話し。先日は春の七草を喰らう日ではなかっただろうか。小正月といっていたと思う。毎日の気象予報を届けてくれるメールサービスで知らされた。ところがである。こちらでは七草でなく八草なのだ。お手伝いさんにその話をしたところ、オー忘れていたと言って八草の名を教えられたが、まったくもってちんぷんかんぷん、何の草なのかわからなかったし、お粥も食べそこなった。
[ MEMO: シムカードを売り出している会社が無数もある。サービス内容も様々。長距離サービスに長けているところ、国外へのサービスが充実しているカード、いろいろあってどこのどんなカードを買えばいいのかわからない。先日、国際通話可能のつもりで買ったカード、すでにサービスを終えているにもかかわらず売り出していたものだった。おかげで国内通話、使い切れないほどの金額になってしまった。 ]
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