鼓浪嶼の穏やかな海岸の一こま。向かいは隣の県。工場地帯の煙突が見えています。公衆電話の横に小さなテーブル。ここでお茶を飲みました。
会社の運転手と散策していたときのことです。ちょっと蒸し暑かったこの日、のどが渇いたのでお茶にすることにしました。お茶を専門にしている店であるわけではなく、小さな雑貨屋。所望したお茶は味も素っ気もない、ただ色が付けてあるお湯という代物でした。しかし場所がいい、おいしい気分で飲ませてもらいました。
運転手さん、煙草が切れたといってお店で購入してきました。ところが、お茶を口にすることなくしきりに煙草をいじくり回している。切り口を挟んだり突っついたり。一本折り曲げて中身を吟味している。そしてまたお店にもどっていきました。
時間がかかっているので私もお店に行ってみます。なにやら店のおばさんとやりとりしている。福州語なので意味不明、理解できません。そうこうするうち、おばさんはぶつぶつ口にしながら銭函からいくらかのお札を集めて運転手さんに渡していました。
店を出て彼に聞いてみます。彼の言うところによると、あの煙草は質の悪い煙草の葉を巻き替えて高級品に見せかけた偽物だというのです。私はその贋煙草を手にしませんので、何がどう違うのかは判りませんでした。彼曰く、この辺り一帯にはこの類の煙草が多いそうです。すぐ向かい台湾の煙草は人気があり、その贋煙草も多く出回っていると言います。さかんに計算して見せ、一本につきいくら儲かるか話してくれました。また、三本四本と分けて売ることもあり、そうなるとなおさら本物かどうかの判別は難しい。気をつけた方がいいですよ、といわれました。
いろいろな商売があるものですね。
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