Sunday, October 24, 2004

失われた木造住宅 (台湾・森坂)

森 坂は日本占領時代、木材を切り出し日本に送り出したところです。台湾の東海岸、花蓮から南に鉄路で30分ほどのところにあります。敗戦後も引き続き台湾檜 を中央山脈から大量の木材が搬出してきました。一九八十年代はじめに最盛期を迎えたところで山火事が起こり、その後は林業の衰退もあり、急速に華やかさを 失ったところでもあります。

ここには日本時代に建てられた総檜作りの官舎が立ち並んでいます。八十年代後半、始めてこの村を目にしたときには本当の感動したものです。なつかしく、ま るで少年時代に読んだキンダーブック(若い人は知らないでしょうね。挿絵に田舎の風景や遊びなどが描かれていました。空襲の焼け跡で遊んだ都会っ子には憧 れの的でした。)そのままの情景がここにはありました。

その森坂も火災にあい、戦後立てられた住宅を数多く消失します。写真はそれから三年たった情景です。しかし、住民やこの村を愛する人たちの努力によって、失いながらも「再生森坂」を標語に、ゆっくりですが確実に新しい森坂を創ろうとしていました。

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