その昔、学生の頃、海外建築に傾倒し、米国の高層アパートメントの写真を見てすーごく羨ましい思いをしたことがあった。今思えばなんてことはなかったし、このアパートメントがシカゴの湖畔に建っていてい、前はバカ広いハイウェイで、どう見ても湖畔との関係がよいとは思えない。それでもなにやら良さげに感じたのは、ただただ海外の、米国の、というだけのことだったように思う。
ここに掲載した写真、今日の昼過ぎ、散歩がてらに近くの湖畔を歩いていたときに撮影したもの。三十階のアパートが連なり、湖畔には別荘群が、赤い屋根の白い中層建物はマルコポーロホテル、ファイブスターであり、その右となり奥、スカイラインの少し低くなって見えている中央のアパートが我が住まいである。
湖畔は白鷺が飛びかい、フォバリングしながら小魚を口にしては飛び立つ。この湖、二十年ほど前は沼地だったらしい。廈門の都市計画は、この沼地を人造湖に作り替えることから始まった。ところが人造湖をつくったのはいいが、夏場は異臭が立ちこめ、湖畔周辺を高級住宅地として開発、販売し始めたものの、いたく評判が悪かった。そこですぐ外の海域から海水を引き込み、循環させるようになってから、ここは廈門の住宅一等地となったのだそうだ。
海水の引き込みはごく単純で、細長い池を二等分し、そこに中州をつくり、海水の出入り口を二つにわけただけというもの。池を長い川に変えただけだ。僅か十メートル足らずの水門、入ってくる海水の勢いのいいこと。見ていても気持ちがよかった。
[ 写真: 撮影場所は湖の南側、眺めるにはいい。しかしここ南の都市廈門といえども冬は寒い。日射しが家の中に入ってきてほしい。やはり人気は南面住宅のようだ。 ]
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