Monday, February 28, 2011

[台北] 原住民族電視台って...


最近はひたすら原住民族電視台からの話題ばっかりになっていますが、今の私には興味深い話題がいっぱいで離れられないですね。中国語の分からない方にはなんで?またかよ!でしょう。数年前の私ならそうでしょう、いくら画面下にテロップが出ていても疲れるだけよってんで見なかったでしょう。今でも十分とはいえませんし、テロップの出ない討論番組を見終わるとぐったりしてしまいます。ではほかのチャンネルはというと、日本と同じじゃん、で緊迫感がない。このチャンネルは何しろまったく知らない世界、歴史、文化、人々でいっぱいですから他とは違う。

[こちらの公共放送] 台湾はケーブルテレビが普及していて全世帯の75%以上が受けているといいます。チャンネルも百以上じゃないですか。そのなか10番台にDiscoveryとかNational Geographicsに混じって公共放送が入っている。公共電視台、HakkaTVそして原住民族電子台。公共電視台は既存のチャンネルに居候していたのを1998年から単独で放映開始。日本でいえばNHKですね。HakkaTVはたしか2003年客家人向けにつくられたと思います。そして原住民族電子台。原住民族電視台(原視台)が正式に放映を始めたのはわずか六年前の2005年、お互い異なる言語を話す部族に向けどう番組を組んだらいいのか試験的に始められた。それが今では充実した内容です。安い予算の中、番組の76%を自前でつくっているそうです。ただ再放送が多い。再放送の再放送、そのぶん私のように一回では理解できない部分を補ってくれているので助かります。

[すごいエネルギー] 長年にわたる同化政策でほぼ失われかかった原住民族のアイデンティティを取り戻すための表現手段の場として、多くの原住民が参加できる仕組みをもって運営されているとのこと。編集委員会の意向もあるんでしょうが、「自立」、そのために「族語」「族文化」を「伝承」「継承」させたいということがよく分かります。そのため重い話題が多いですけど。原視台を見ているとすごいエネルギーですね。司会者の方々も個性的。

[日本語が聞こえてくる原視台の番組] 日本占領期(こちらでは日治、日本統治といっている)の皇民化政策もあって徹底した教育がおこなわれましたので七十五歳以上の方の多くが日本語を聞いて解ったり話すことができる。当時なかった単語・用語はそのまま日本語で使われ今でも残っている。ですから番組を見ていると、オバーチャンオジーチャンの話し言葉から部族語に混じって日本語が出てくる。さらに蒋介石の軍隊が入ってきて漢人同化政策がおこなわれていますから中国語も混じってくる。そんなこんなで今の部族のおおくの子供たちは族語が話せない。自立を目指す部族民は言語教育に必死です。彼らが取り組まなければならない問題は他にもたくさんあります。原視台はそれをどう取り上げ、どう汲み取っていくんでしょうか......期待しています

[今日の原視台番組から] 今日放映された”不能遺忘の歌”は日治時代の話。布農族の部落で集団疫病が発生します。マラリアなんですが、日本から医師がやってくる。でもいくら治療をしても死者は増え続ける。看護婦の部族の女性が原因を語る。日本政府の政策として統治をし易くするため山に住む部族民を一箇所に集める。マラリアは蚊から伝染する。もともと水の綺麗な山の中で生活していた免疫のない部族民は容易に感染してしまう。そんななかで苦悩する若い医者と看護婦の悲しい別れを描いていました。実話らしいです。部族語あり、日本語あり、中国語ありのマルチリンガルなお話でした。挿入歌が綺麗でしたね。ちなみに医師役は当地に住む布農族を嫁さんにした日本人の方だそうです。

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