Wednesday, March 2, 2005

Are you smoking?

昨年秋の台北滞在時のことです。台湾では数年前から公共の場所での喫煙が禁じられています。だからといって喫煙している姿を見受けないかというとそんなことはありません。わたしの老飯店(馴染みのホテル)の餐庁(レストラン)には日本人と台湾人の客が多く、かなりの人たちは喫煙を楽しんでいます。餐庁の柱には「禁煙」のロゴが張り出されていますが、誰も気にする様子はありません。

秋に滞在したホテルの客は違いました。滞在の長かった私の喫煙は陰ながらの非難を受けることになります。・・・
このホテルにもロビーとラウンジに「禁煙」の表示とロゴマークが張られています。私はチェックインのときに聞かれた「おタバコはお吸いになりますか?」に素直に従って喫煙用の部屋に入りました。ですからラウンジが禁煙でも問題はなかったのです。しかしこのラウンジ、行ってみると皆さんゆったりとしてタバコを味わっておられる。フロントに聞いてみます。「よろしーですよー」の返事、私はこの言葉に素直に従って常々喫煙を楽しんでおりました。珈琲を注文しても灰皿がいっしょに差し出されます。「喫煙」のロゴは本音と建前か、ぐらいに思っていました。

このホテル、リピーターが多いようです。ひたすら居続ける私はその顔ぶれを繰り返し眺めることになります。なかには強烈な印象を与える中国系アメリカ人もいました。いわゆる台湾でABCと呼ばれている人種です。America-Born-Chineseの略です。四十台前後、端正な顔つき、清楚な様、米語なまりの中国語、慇懃ですがどこか命令調な話し方。私が滞在してから彼の二度目の台北滞在時にフロントに部屋の注文をつけていました。「禁煙の部屋にしてほしい、ホテル中がタバコくさくて困る」。あいにく彼の希望していた部屋がなく喫煙可の部屋に回されたようです。ラウンジで喫煙している私にも聞こえる大きな声です。いや聞こえるように話しているようでした。

別な日のこと、やはりここを常宿としている道教の修行中と思われる若者がいました。いつも袈裟衣を身にまとっています。朝食でちょくちょく目にしますので、何を食しているのか興味を持ってみてみました。他の客と変わらない普通の食事でした。肉を口にしていました。修行者なら精進料理なのかな、と思っていましたがちがうようでした。

あるとき、やはりラウンジで珈琲を飲みながらタバコをくゆられていたときのこと。この若者も隣のテーブルで珈琲を注文していました。ボーイが珈琲を持ってきたとき、彼はボーイに聞きます。「君はタバコを吸うのかい?」。

彼らにとって、このホテルに訪れると必ず目にする私と私の喫煙姿にうんざりしていたようです。そんな中で気にもしていないような素振りでタバコをすい続けるのには勇気がいりました。「やめなさい!」とのご忠告がどこからかとんできそうですが、そうですね注意しますとしか今はいえません。理由はいずれ話したいと思います。

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