ある大きな一角に販売用の大きな看板が立てられていた。どこかで見たマンション名だ。そう、最近テレビで広告を打っているマンションだ。友人曰く、以前売りに出したものの、売れ残り物件だったのを、名前を変えて再度売りに出したんだそうだ。いくらなんだろうか。
彼はマンションを購入するつもりはない。なだらかな丘が続く農村地帯を選ぼうとしていた。空気よし、緑多し、車少なし、地元で仕事をするなり、隠居生活をするなら格別にすばらしい。しかし友たちは彼に耳打ちするそうだ。「風が強いぞ」「雨が多いんだよなこの辺は」「車なんてすぐ錆び付くしさ」。
三芝には元総統・李登輝氏の生家がある。家は残されているものの、そのことを記した表示は見つけられなかった。ひっそりと残されていた。それでも観光客が訪れるのだろう、前庭の立派な榕樹の下では土地の作物を並べて売っていた。友は上さんへの手土産にと何がしかの野菜を購入していた。安い、台北の三分の一以下の価格である。生活し易すそうである。元総統の生家の前に文化中心舘が建てられている。三芝から輩出した四人のたちの業績を展示していた。
ホール脇に売店があった。そこには台湾の歴史建築シリーズの切り紙絵葉書を置いていた。B6版の大きな絵葉書である。売店のご主人、親切にも「カッターナイフは使わないでね、怪我するからね、鋏使ってよ」と助言してくれた。
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