こちらの方に「台湾には落葉樹ってあるんですか?」と問いかけると大概の人が不機嫌そうな顔になる。小さな国土に富士山より高い山があるわけですから、低地から高山までの気候を一日で体験できるわけなんですね。落葉樹だってあるわけです。でも臺北あたりでは目にしたことがなかったような気がしましたので、そんな質問をしてしまったりします。
先週末、向かいの部屋の方が、この方は客家人なのですが、知人から誘われているといって私を台北県の西、新竹県の竹東と竹北にでかけてきました。新竹には大勢の客家人が住まわれている。昔から住んでいる。客家人というと、台湾人より遅く台湾に渡ってきたということで、どちらかというと山間とか農地の少ない土地に住み着いたと聞いていました。言葉も違いますし、大陸のどこから来たかによって派閥みたいなものがあったりするようです。東南アジア、インドネシアの華僑は客家人が多いそうですが、彼らは広州から渡ってきたらしい。それに対して、台湾の客家人は福建省からやってきた。福建省にも多くの客家人が住んでいて、厦門の会社にも大勢働いていた。私の秘書だったコブタちゃんもそのうちのうちのひとりでした。
客家人が台湾で認知されたのはわりと最近、国民党から新しい政権になったあと、原住民も客家人も皆台湾人と同等ということで、CATV・ケーブルネットワークには客家語のチャンネルもあります。会話を聞いても台湾語以上にチンプンカンプンなのですが。地下鉄の車内アナウンスは国語(標準語)、台湾語、客家語、そして英語と、ちゃんと客家語が用意されている。実に賑やかです。
高鐵(新幹線)に乗って三十分、竹北駅(切符には新竹駅と書かれているのですが)についてあちらの方が出迎えてくれました。地元で事業をされているそうで、会社はこの辺りでも有数のものらしい。
車で案内されたのは山合いの五星級ホテル。会食会です。名刺が行き来し、地元の事業者の交流会でした。食事を終え、案内してくれた方の自宅に向かいます。自ら開発を行ったという60戸余りの住宅地、その一部に自宅はありました。三方を庭に囲まれ、そこにはいろいろな草花と樹木が植えられていました。臺北あたりで目にするような濃い緑の木々と違い、ここには冬場に葉が色づく落葉樹が何本もあったのです。庭先でお茶をし、この庭の由来についてお話を聞いて過ごしてきました。
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