今年の七月末、馴染みのサービスアパートメントのいつもの部屋にチェックインした。カーテンを引き外をのぞいてみた。東渡国際埠頭の屋根は煌々と輝いていたものの、見えたのはそのホンの一部に過ぎなかった。
この辺りの風景は訪れるごとに変化している。国際埠頭一帯は総合開発の最中である。はじめにフェリー、続いてマンション群、そして今はホテルとオフィス群の建設が進められている。
始めてこのアパートを利用したのが二年ほど前だろうか、港に面した部屋からは向こう岸の、それも建設最中のマンション群が見えるだけだった。それがどうだろう、港の風景は建物の隙間にしか存在しない。いまだ厦門は開発真っ只中なのだ。
定宿をサービスアパートメントと呼んでいるが、日本流にはウィークリーマンション。1DK。おそらく投資用に購入した家主、これをマネージメント会社が借り受けてホテル代わりに貸し出している。部屋はマンションのあちこちに点在している。必要最低限な調度品備わっていて、ネットに接続もできるし、やる気になれば食事も作れる。実際長期滞在中に作ったこともある。
特に私が気に入っているのは洗濯機のあること。何しろ洗濯が面倒くさい。一般のホテルでの下着類の洗濯を入浴と一緒にシコシコと洗うのががいやでしょうがない。だから選んだのだ。服務員も最少の人数、その分割安だ。価格は年毎に値上げされているものの、一晩120元台から140元台、日本円で1600円台から2000円。それでいてこぎれいな超高層マンションの一室であり、そして安全である。これは私のような外国人にとっては重要だ。なおかつ超高層マンションには必ずといっていいほど1階に便利店、小さなコンビニのあること。下にいけばほとんど用が足せる。
このマンションにはあと一つ部屋をマネージメントしているところがある。初めて利用しようとしたところ、間違ってこちらに入ってしまった。話が違ってネット接続ができない、部屋は小さい。予約してくれた友人に問い合わせたところ、違う違うあの階のあの部屋でチェックインしてくれという。すでに支払いを(ここでは必ず前払い)済ませている。もう戻ってこないよ、そのお金。いわれて交渉した。取り戻しましたね。珍しいですよ、と元来のホテルの人。間違いの元をつくったオバサン、今回も顔を合わせて「商売どう?」、「アンタいないからだめだよー」。恒例の挨拶になっている。
しかし今月の厦門訪問ではここを利用しない。もと租界の島、コロンス島を滞在地に選ぶ予定だ。
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