日本で、バードウォッチングを続けているヒロシさんからメールが来た。
「・・・仕事大変でしょうが、仕事や人間関係以外のことも書いて下さい。・・・」
自分でもなぜこれほど人間関係にこだわって書いているのか、時に不可思議な気持ちになるのです。きっと、愚痴をこぼす相手がそばにいないからではないでしょうか。しばらく我慢してください。年寄りの愚痴は、長く、しつっこいのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、本文・・・
分手( fen4 shou3 )、別れる、恋人と別れる。別れを綴った歌のはなし。
ある日ある晩、クラブのステージで男性歌手が気持ちを込めて曲を披露している。店の女性がささやいた。「アタシの一番好きな曲!」。この一言に、すかさずボーイがわたしに声をかける。「彼に花輪をさし上げますか?」。いわゆるチップ。「OK」。「二つ?」(二百元)。あたし、「一つ」。
この曲、印象に残った。店の女性に曲名と歌手名を書いてもらう。早速家に戻り、インターネットで探しダウンロード。うーん、寂しい曲だ。とても寂しい。ジンとくる。店の女性にショートメールで伝える。「いー歌だなー」。彼女、「どこが?」。わたし、「心が痛む」。会話はそこで途切れた。
男性歌手はステージを下りると、私の席にやってきてお礼を述べた。わたしは店の女性に告げた。「次にきたときは、個室に彼を呼ぼう」。彼女、「歌のレッスンしてもらうの?」。おぼえる価値がある。しかしまだレッスンは受けていない。
会社の若い女性が私の席にやってきて告げた。「アタシ男友達と別れたー」。「オー可哀相だなー、この曲聞いて気持ちを入れ替えなさいな」。わたしは、彼女に、ダウンロードしたかの曲を、メモリーカードに入れ、手渡した。
翌日、彼女がやってきて恨めしそうに話した。「昨日は一晩中この曲聴いて涙流してた」。
この歌い手、酒場のナガシをしながら、テレビのオーディション番組に出ては落ち、落ちてはまた出てを繰り返し、ついにこの曲が認められ、デビューしたのだそうだ。ネクラそうである。名前を陳楚生、曲の名は「有没有人告訴你(あなた)」。阿久悠のいう、歌が空を飛ぶ曲だ。
そんなわけで、このところ、毎晩繰り返し繰り返し聴き入っている。いまではわたしの中で歌が飛びかっている。
[ 写真: 陳楚生。ビデオクリップからキャプチャーしたもの。百度という検索ネットで、日本からでも探せるのではないだろうか。 ]
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