Thursday, October 30, 2008

[廈門] 珈琲店の「老外」たち


老夫妻は物静かにテーブルに向かい合って座っている。話をするわけでもなくそれでいて退屈している様子もない。米国人だろうか、それとも英国人か。食後にしばしば顔を見せる。

若い、英語を話す小柄で美形な外国人女性は、東アジア系の、これも背の低いが顔立ちの整った若者とよくやってきて小さな声でささやきあっている。二人ともペットの犬を連れてきて外のテーブルで語り合っている。

喫煙室は商談の場になっている。ラフな格好で声の大きい米国人がよく利用している。流暢に英語を話す中国人と細かい数字をつめている。昼間に姿を見せることが多いことから会社勤めには見えない。本国の会社の間に入って仲介フィービジネスか。時々かかってくる電話にむかって中国語で対応している。イントネーションに癖があるとはいえ、なかなかのものだ。

日本人も老外( [lǎowài] foreigner )のうちだ。彼らは製造業にかかわっている様子。若者が工場での出来事を上司に伝えている。上司は若者に中国人相手のノウハウを伝授している。こちらにやってきて商売する老外が一度は直面する難題だ。

少し前までいかにもというドイツ人もルサリーを纏ったアラブ女性も愛想の悪い韓国人の姿も厦門大学に留学中の日本人女性も見えていたが、このところやってこない。場所を変えたか、それとも帰国したか。

火曜日は「買一・贈一」の日。ピザとビールを注文するとサービスでもう一枚、もう一本ついてくる。普段と違いこの日は客であふれる。特に老外は、仲間うち、家族総出で「買一・贈一」を享受している。フィリピン人の仲間うちがやってくると大騒ぎになる。うるさいことこの上ない。

アタシは観客に過ぎない。珈琲店という舞台で演じられているさまを静かに眺めている。時に昔の会社仲間がやって来ることはあるものの、会話の相手をしてくれるのは店の若い女性たち。今ではそれが楽しみになっている。しかし彼女たちのローテーションは短い。名前を覚えたと思うと姿が見えなくなっている。

[ MEMO: skypeの友はアタシのことを親しみをこめて老猫と呼ぶ。このイラストは一人ふてて珈琲を飲むアタシ。Tomi Ungererの「No Kiss for Mother」から。主人公は小猫なのだが。 ]

[今日のBuddha Bar]
"Amor, Amor"をプロデュースしたのがArno Elias。フランス生まれの、おそらくユダヤ人。Buddha-Barで一枚アルバムをだしている。そのなかから彼の甘く、ちょっと女性っぽい歌声の一曲"El Corazon "。スペイン語で歌う。
このBuddha Barシリーズ、民族音楽を探るのに向いている。このところのBuddha Barめぐりで地中海沿岸から東欧まで散策したことになる。

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