厦門の西端には迷路のように混沌とした老街がある
夕刻サービスアパートメントからタクシーを拾いコロンス島に渡るフェリー乗り場まで走る。大通りを向かい側に渡るには地下道を使わなければならな
い。そこは自由市場のように出店が並び、本来ならゆったりと歩ける邪魔をしている。週末とあって若者たちの往来がそれに輪をかけている。老街の目抜き通
り、中山路の入り口の由緒ある鷺江酒店、その裏道に構える格下のホテルで友を待つ。
一風変わった海鮮料理
さあ食事に出かけましょう、何を食べましょうかね、とたずねる。大先輩は「ここは海鮮料理が美味しそうですね」と。一向三人、異口同音に「生ものは
やめたいですね」。ではとタクシーで近場まで走る。『深海魚』。魚料理を「お粥」か「火鍋」で食わしてくれる店。一品料理に骨付き魚を細かく切り刻んだか
ら揚げに煮込んだ豆腐、そして店の名物「魚のお粥」を注文する。どれもが舌鼓もの。酒が無くては食が進まないという大先輩とお嬢、青島の生ビールに紹興
酒。これだけ口にして340元。量は多くなかったものの、年寄り三人と食い物より酒という若者、これで十分でした・・・
湖濱北路を一本入ると・・・
伊太利住まいが長かった大先輩、「コーヒーですね」と一言。ハイハイではでは・・・またまたタクシーで厦門のもっとも瀟洒な一角へ。そこは人造湖畔
に面したグリーンゾーンに面して立ち並ぶコーヒー街。適当にあたりを照らす灯りの下、デッキテラスでのんびりカフェラテをすする。わが友が今日のフォーラ
ムについて報告し、しきりに旅の本来の目的を告げるも、誰も話に乗ってこない。明日は彼が報告する出番である。総勢八人、そのうち直接フォーラムにかか
わっているのは三人、二人は土楼めぐりに余念がなくいまだ遠方にいる。残りの人間は明日はどこに出かけるかなーと素気無い。加えて「この辺りは路地一本変
わると雰囲気がガラッと変わる不思議なところなんです」と私「後でちょっと散歩してみましょう」と話題を変えてしまう。あきらめ顔の友。
湖濱北路から人造湖に挟まれたここには三本の道路が平行してある。一本は今いるコーヒー街、ウッドデッキで舗装された歩道から見るコーヒー店はみな床から天井までガラス張り、暗闇の中、まるで客が演じるオペラを見ているようだと大先輩、しきりにシャッターを押していた。
その一本裏道はバー街。バーといっても女性がいるわけではない。カウンターバーかプールバー。どこも歩道いっぱいにテーブルを出している。空いてい
る椅子が無いほど客で溢れていた。コーヒー街もそうだが、私が知る数年前には信じられない光景だ。何しろ当時は客のほとんどが外国人だったのだから。それ
がどうだろう、今ではほとんどが中国人、それも若造たちである。
さらに一本の道路は打って変わって路地裏の味わい。自転車修理に部品を売る店あり、靴の修理屋あり、一席だけの理髪店あり、雑貨屋あり、小さなテー
ブルを歩道に出して臓物を食わせる店あり、野菜屋に果物屋あり、携帯電話のSIMカードと山塞iPoneを並べる店あり・・・と一軒間口の雑貨街。
これほど特徴を持った街は世界中にもほとんど見当たらないのではないかと思う。不思議な一角なのだ。一行満足げにホテルの岐路に着いた。しかし明日のフォーラム参加者は何人になるのだろうか・・・ (Oct 30)
[notes : burikineko]
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