[photo: ロケ地の馬志翔] |
・馬志翔演出の"飄搖的竹林"(揺れ動く竹林)
久しぶりに興味をひく映画の予告片がTVに流されている。独立系の One Production 製作 ”飄搖的竹林” がそれ。注目したのは、まず演出が馬志翔だということ。霧社事件を描いた”風中緋櫻”で蕃人でありながら日本人以上に日本人らしさを醸し出していた俳優が演出するという。もう一つは台湾原住民族のアイデンティティーと土地は誰のもの?を問いかけているらしいから。
話の筋はわからないが、予告片から察するとこういうことらしい。
タイヤル族の老人、猟人、彼がある日山奥の竹林で竹の子を採取する。採取したことで警察に保護される。その土地は国家公園内の国有地。たとえ少量であろうと勝手に採取することはできない。
タイヤル族の老人はなぜ竹林に向かったのか。この竹林はかつて老人の父親が植えつけた林だ。今では手入をすることも許されない竹林。老人は言う、竹林が揺れ動いている、身震いしている、泣いている、呼んでいる、出かけるぞ、いいか・・・
映像には幻想的な竹林、竹林で出会う民族衣装をまとい猟銃を持ったかつての自分か父親の姿が。
[放映: 5月29日(日)夜9:30 原住民族電視台16ch] F1モナコとガチンコ。しかしこのフィルムは見逃せないな・・・
・土地は誰のもの
土地は誰のもの。誰のものでもない、我々は地球から借り受けているだけなのだから。原住民族の考え方も同様だった。多くを望まなかった。かれらは遷村を繰り返すが借り物の土地をいじめることはなかった。ちゃんと元通りにして返していた。
それが管理されるようになると違ってくる。台湾原住民族が今直面している大問題は彼らの自冶権。昔と違い、土地の所有権がなければ自立も自冶もできない制度になっている。彼らはこの獲得に向かって走り出している。
原住民族自冶法の草案が大詰めを迎えている。三月放映された討論番組「原地發聲」で、立法院版と行政院版自冶法の違いが併記されていた。行政院版では上位に国家の法律がありますよという案。立法院版は自冶法は特別法であり、それ以外の法律、野生動物保育、森林法、国家公園法、温泉法、鉱業法、土石採集法、水利法などは除外、つまり漢人がやってくる前から私たち原住民族の行使してきた行為は当然の権利だというもの。
"飄搖的竹林"は恐らくこの問題が下敷きになっているような気がする。
[注:審議が進んで内容は異なっているやも知れない]
・英文字幕付「不能遺忘的歌 - 聚集布農・祈禱之歌」
以前簡単に紹介した「不能遺忘的歌 - 聚集布農・祈禱之歌」が中文と英文の字幕つきで見れるサイトがあった。
1930年、日本占領時代の布農族部落で発生したマラリアに取り組む日本人医師と布農族看護婦との出会いと別れ。朗蔚作詞作曲の独特のもの悲しい曲が聴ける。
劇中では日本語、中国語、そして族語のミックス。出だしの一分、カラーチャートが映し出され、高周波の音が流れるのでその間ミュートしたほうがいい。
[Youtubeにも揚っていました。こちら]
2 comments:
拡散しました。
http://dehoudai.exblog.jp/16376698/
blogには追記しておきましたが、youtubeにも揚っていました。念のため・・・
Post a Comment