喉が痛いな、と感じたのが二週間以上前のこと。それからひどい咳と痰に見舞われるまで一週間を必要とした。その間、体がだるく、あれこれ動くのもおっくう、物事に集中できないでいた。そして巡ってきた突然に襲う強烈な咳、そして切れない痰。これはもしや・・・重い病ではないかとさえ思ってしまった。
思えば思うほど病は進行する。そういうものなのだろう。病はまさに気から。結局会社を二日間休んだ。家でただただゴロゴロと眠りこける。徐々にだが、体調は回復、週末には人と会うことができるまでになった。しかし強烈な咳のおかげで、喉の血管を痛め、鮮やかな血が混じった痰を見るのは気持ちのいいものではない。
今のは踏まれた部類の話し。次にお話しするのは、強烈に蹴られた話し。
ある日元ボスから呼び出しがかかった。元ボス、影のボスからプレッシャーを受け続けているという。暗に会社を辞めてはどうかということらしい。話の内容は、大筋あちこちから聞かされていたので驚くものではなかった。ただただわたしは、上部の考えやおやりになることには関わりたくありません、と答えるのみである。
そんなわたしの素っ気ない対応に腹を立てたのかもしれない。ある日、ある人から連絡が入る。「会社を辞めて日本に戻るんですって?」。話の出どころは元ボス。死なば諸ともということらしい。そういえば先日こんな話をしていたっけ。「ホテルの董事長が辞めたとき、彼女が連れてきた幹部はみな辞めさせられた。この会社はそういうところなんだよ」と。まあ、わたしを引き込んだのは元ボスだし、筋を通せば諸ともかもしれない。一寸面倒くさい展開になってきている。
辞めるのもよし、留まるのもよし。しかしこちらに来てまだ一年一寸、ここを離れるには早すぎる。先日お会いしたガッコの先生、もし何かあったら廈門随一の開発会社をご紹介しますよ。そのもし何かあったらが現実味を帯びてきた。しかしわたしには面倒くさい話なのだ。それに年を取ってガラガラと環境を変えるのは体によくない。死期を早める。まだここ中国の片田舎で過ごしてもいないのだ。猫と暮らしてもいないのだ。
[ 写真: 会社の医務室、女医さんが選んでくれた処方薬。飲むタイミングを間違ってばかりいた。帰りのバスで同席した女医さんに、まだ喉が・・・と伝えたら、彼女、煙草辞めたら(医務室に)いらっしゃい!と事も無げにいわれてしまった。でも親身に考えてくれているんだと思うことにした。 ]
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