Tuesday, November 4, 2008

[廈門] 向こう二部屋両隣り


アタシが住む超高層マンション、高級住宅地の一角に建つ。小奇麗なエントランスホールには常時保安員(ガードマン)が不審者を見張っている。アタシの部屋は31階。日本製エレベーターに乗り上へ。エレベーターを降りると大理石張りのホールに面し四件の扉。しかしアタシの部屋に向かうところに扉はない。奥へと続く廊下があるだけだ。分譲の一軒をホテル形式で5部屋に割けている。そのうちの一部屋がアタシの棲家だ。一軒屋5部屋をシェアする下宿とは一寸違う。その廊下に一歩足を踏み入れると一変、ここは高級マンションかと目を疑う。

貧相な仕上げ材、粗雑な施工、壁にはヒビが走り、誰も手をかけない床は埃だらけ。大家の、分譲代金をいかに早く取り返すか工夫のあとだ。廊下の幅はわずか85センチ、向かいから人がやってくれば、肩を斜にして行き違わなければならない。両側が部屋だから中廊下形式、日本の法規では1.6Mが求められる。外気に面していない上に照明は音感知式、常時真っ暗。音感知式はこちらでは一般的で、みな廊下のはいり口でハイヒールの踵を床に叩きつけ、照明のスイッチを入れる。真夜中に床を叩かれては、階下の住人はたまったものでない。

この寄せ集めのような部屋を借りているのはアタシとオバサンとあとは若い女性の方々三名。アタシの部屋は廊下のどん詰まり。壁を挟んだお隣と廊下の向かいには、同じ仕事場で働いているらしい女性方が住まわれている。お隣は愛想のいい、陽気そうな女性。一寸小太り、丸顔、かわいらしい。廊下向かいといってもバストイレの壁は共有しているお隣さんは一寸陰気そう。背の低い、ごく普通な感じ、挨拶を交わす際に見せる不安そうな大きな目が特徴。

お二人、仕事の時間帯が違う。お隣さんは昼間仕事に出かける。廊下向かいのお隣さんは夜中に出かけ朝方帰宅する。お二人の仕事時間を足すと24時間体制、いったいどんな仕事をしているのだろうか、一寸知りたくなったりする。この両隣り、品疎なつくりの内装で、物音が筒抜けなのだ。廊下向かいのお嬢さんは静寂を愛し、隣部屋のお嬢は最近男友達ができたようで夜毎大きな声を出して楽しんでおられる。

アタシは人に素性を知られまいと、トイレの音にも気をつけて日々をすごしている。(ウィーンの安ホテルに住むナチスの残党でもあるまいし、そんな必要はないのだが・・・)

[ memo: シンさんから展覧会開催の通知が届いた。いつ拝見しても達者な筆捌きだ。]

[ 今日のBuddha Bar ]
今日もBuddha Barからではないが、第二次世界大戦、英国の兵士に勇気と慰めを与え続けたという意味でヒーリング・ミュージック。
私の大好きなVera Lynnの"We'll Meet Again"。
おっと、リンクミス。"こちら”が正解。

2 comments:

fumanchu said...

アモイ緑峰大マンションという感じでしょうか。
サスペンス映画に出てくる様な感じですね。

中国語入門、斜め読みさせて頂きました。
難しそう。
ワタクシ的には言葉が解らなくても「ま、いっか。」
という台灣式ルーズが好みであります。
陳雲林さんの立てこもる丸山大飯店を民進党支持者が包囲したそうですね。

burikineko said...

ウェッブでもの探しをしていると、時に台湾という国が消えているのに出会ったりします。

香港と同列の扱いになっているのです。台湾の人にとっては耐え切れない思いもあるのではないのでしょうか。