Sunday, December 21, 2008

[台北] 喫煙


仕事がいまだ正式な契約に至っていないこともあり、日ごろは共同で開発に当たる事務所の会議室に居座って仕事をしている。建物全体が禁煙、耐えられない人間はビル入り口の外にしつらえた灰皿の周りまで降りてくる。同じビルで働く人間が出入りするわけで、一時間おきに現れるアタシの姿を横目で見ていく。一寸気まずい思いがする。来年1月11日からは、公共の場所と三人以上同席の場での喫煙が全面禁止となるという。

このビルの道路を挟んだ向かいの建物には四六時中観光バスが横付けになる。人の出入りが激しいのと、喫煙者の姿が目に付く。何でかと思いきや政府公認の免税店、海外からの観光客が訪れている。日本語が聞こえる、韓国語も聞こえる、そしてあの懐かしい大陸のそれも北方訛りの中国語も聞こえてくる。ここでは日本人も大陸の人間もよくタバコをくわえている。観光客への配慮だろうし、何よりアタシにとっては不特定多数の一員になってタバコが吸える。常場所になった。

好奇心から彼らを観察するのが楽しみになった。ポイ捨ての習慣に慣れきっている大陸の方々、ポイッとしようとして思いとどまり灰皿へ。隣のファミマで紙コップの飲み物を抱え、終えるとくるくる辺りを見回し灰皿一体のゴミ箱へと向かう。きっとこちらに来る前に十分教育されたに違いない。それにしても仕草が不自然な感がして笑えてくる。

ここでは大陸の評判は必ずしもよいとはいえない。選ばれ観光にやってくる彼らを見ても、台湾の三十年ぐらい前を思い出させる身なりだ。それでもアタシには懐かしい思いで彼らに声をかけたくなってしまう。厦門には中国全土から人間がやってきた。何をするにも千差万別、実に興味深かった。ここ台湾は人口二千三百万、大陸の五十分の一以下に過ぎない。アタシのような外国人から見れば、台湾は単一民族に見えてくる。

[ today's photos ] 天気がいいと昼食によく出向くのが四年前しばしば利用したサンドイッチの店"LuLu"。洒落た紙袋にはツナサンドと今日のスープ、占めて105元(日本円約300円)。小脇に抱え、店近くの口袋公園(口袋はポケットの意味)で食事を取る。写真の椅子は日陰を求めてちょくちょく移動するが、椅子の利用者は若い女性、食後一服のタバコをここで過ごしていく。

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