Sunday, August 21, 2011

[台北] Buddha Bar - リンク切れの書き換え

ある方からブログに記載したリンクが切れていますよ、とお知らせをいただいた。ほぼ三年ほど前、ブログで紹介したBuddha Barレーベルの曲のことらしい。ポチポチしてみると半数以上が繋がらない。Youtube曰く、アカウントが停止されたので云々・・・、ブロックされましたので云々・・・。三年というあいだにYoutubeもHDに対応させたりしたので、再アップでアドレスが変ったりしたようだ。なかにはいくら探せどたどり着かない曲もあった。そこでできる範囲で書き換えすることにした。

どうせならと、そのなかからお気に入りをいくつか再登場させることにした。ほとんど日本ではマイナーなジャンルだ。アラビア語圏では知れ渡っているとか、東欧ではとか条件付なものばかり。英語圏に該当しない地域の音が多くったのは私の嗜好による。台湾にいて中華文化ではなく、原住民の文化に首を突っ込んでいる状態と同じようなものだ。

"Santa Maria (Del Buen Ayre)" - Gotan ProjectGotan Projectのアルバム名"La revancha del tango"「タンゴの復讐」のなかの一曲。このビデオクリップ、カット・トリミング・モンタージュの技法が一昔前の実験映画、前衛映画、ヌーベルバーグを思い起こさせる。白黒の画面、ひとけのない大都会の一角、アスファルト・ガラスの超高層ビル・タイル張りの歩道、一人で踊る、裸足で踊る、男女で踊る、男と男で踊る、女と女が踊る、離れて踊る、グループで踊る、踊る脇を車が通り過ぎる・・・。「タンゴの復讐」ならではの映像。甘くない。

"Baadima"  - Elie Karam厦門の馴染みの珈琲店で流されていた曲。アタシャ好きなんだ、何て曲だと店の女性に聞くと、えーこれがー、とアタシのセンスを疑うまなざしを浴びせられたのがElie Karamという歌手。ささやくように、いや、うめくように歌う「Baadima」。
スケベそうなオヤジが薄暗いしょぼくれたクラブかなんかで身なりだけはバリッとして歌っている姿が思い浮かんでくる。
ビデオクリップが再アップされ、正体不明だったElie Karamという歌手、このクリップで声と容姿が一致した。曲はオリジナルから、前半を英語後半をアラビア語という構成に変えていた。しかし英語の部分ではまったくもって気分が乗ってこない。言語とは面白いものだ。

Buddha Barレーベルのあれこれを探していたときのこと。イスラエル人歌手Ishtarのことをいたく気に入った。歌よし容貌よし、しかし関連情報はレコードのバイヤー以外の記事がほとんどなかった。ただおひと方、音楽関係の、それもかなり異色な記事を書かれている方とやり取りをしたことがある。彼曰く、Ishtarなら日本でもはやるかと思ってんですけどね、と仰っていたがそれはかなわなかったようだ。

"La Paz al Final" - Ishtar Alabina地中海を囲む民族の血をごちゃ混ぜにしたような混血イスラエル国籍の歌手Ishtar。彼女はライブがいい。特にこのクリップが好きだ。途中少しだけベリーダンスを披露してくれるシーンがある。抑えた表現がことさらセクシーさを醸し出している。
"One More Time" - Ishtar Alabinaこちらはベリーダンサーを従えて踊ってくれている。黒の衣装もいい。ベリーダンスは「官能と倦怠」を表現しているという人がいる。昨年北京の新疆レストランでウィグル族のベリーダンスを観賞することができた。青い目のアジア人ダンサーに引き付けられ、そのことを実感した。

Buddha Barあたりを行き来していると、いつのまにか地中海沿岸を一回りしていたりしている。エジプト、イスラエル、レバノン、トルコ、ブルガリア、そしてスペイン・・・。多元多様な世界を覗ける。何より歴史のある場所だ、二百年そこらでとうてい達成できる文化ではない。