Tuesday, March 9, 2010

[新竹・横山] 小さな旅 - 里山

先週末、かねてからお呼びの掛かっていた案件、山あいの土地を購入するつもりなので見てほしいということで出かけてきた。高鉄・台湾高速鉄道が台北を出、桃園駅を過ぎると辺り一面に霞が。田畑も幻想的。

新竹駅で十五分ほど待たされたあと、土地主の車でその方のお宅へ。そこでなぜか軽トラに乗り換え。県道をちょこっと入ると辺りは田園、一面蓮華の畑。若者のきえた農村、土地に手を入れるほど人出が確保できない、蓮華を植えて畑の土に何とか栄養分を与えようとしてた。まだまだ残されたレンガ積み瓦屋根の農家。曲がりくねった車がすれ違うのもやっとという農道から山道に。せき止められた沢、小さな農業用水の溜池がいくつも見受けられる。

土地購入予定のオバサンと私、軽トラの荷台で、プラスチック製小さな椅子に座り、支柱にしがみつき、右に左に、上下に揺さぶられながら山あいに入って行く。なるほど、これでは普通の乗用車で入っていくには厳しい。しかしそれほどにまでして購入したいとオバサンの気持ちを代弁するように、山道の先には別天地のような光景が。
レンガ壁で囲まれた小さな中庭をもったセルフビルドの小さな管理小屋。ビンロウ樹の森、下草は手入れよろしく、やさしい雑草が土を覆っている。湧水、苔むしたレンガの側溝、ちょうど昼時、日差しはビンロウ樹の森からの木洩れ日、白いタイルを敷き詰めた中庭で持参した板条麺を食する。

静かだ。こんな静けさは久しぶりだ。懐かしい。千葉の片田舎、勝間村の冬、辺り一面雪で覆われた夜、椎の実が枝をたたきながら落ちていく音が聞こえたことを思い出した。