Thursday, May 22, 2008

[廈門] 切断された回線

この期にネットに接続できない。昨日、床に就くときパソコンの電源を落とさず、ネットも繋ぎっ放しで寝込んだ。朝起きるとルーターのライトが消えていた。仕方がない、ではダイレクトにとLANケーブルを差すも信号は届いているようなのだが繋がらない。ルーターはホテルが用意していたもの。ホテルスタッフがやってきてあれこれいじりまくるが復旧の見込みなし。メールのチェックもサイト情報もスカイプでILCの情報も拾えない。こうなるとアタシはいささか焦る。日常の一部になっている行動が阻止される。それだけのことで右往左往し始めてしまう。

結局昼過ぎ、なじみの珈琲店Javaromasにドンと腰をおろして半日を過ごした。ネットに接続し、メールをチェックし、こちらと日本のニュースサイトを訪れ、blogを投稿し、スカイプを開いて誰かが訪ねてきたかを確認し……。何か期待することでもあったというのだろうか、いや別にどーってこともなかった。一日待ってもかまわないことばかりだ。

ルーターの修理は明日までかかる。今晩はどうしよう。不安が残るアタシは、姐姐にショートメールを送り、預かってもらっている荷物の中のアタシのルーターを取りに行くことにした。

ルーターを受け取り、家に戻り、ネット接続を試みるも、切断された回線は元に戻らなかった。原因は不明である。

姐姐の家で食事を御馳走になり、その際に見知らぬ愛国者の話をした。姐姐の話では、日本人を嫌悪する中国人は多い、アモイにもそんな連中がいる。携帯を購入した時に実名を書いたでしょ、日本人だとわかれば彼ら愛国者たちは容易に情報を横流ししてもらうことができる。姐姐、組織とは言っていなかったが、若い連中が集まって相談事をしている可能性はあるといっていた。そんなサークル仲間が嫌がらせに……、もしそうだとしたらとんでもない標的にされてしまったわけだ。

姐姐はアタシに問う、かつて日本人が中国に来て戦争をした、あの戦争は間違っていなかったのかと。まあそうだろうと答えると、ほらほらそんな調子だ、それじゃあれこれ言われても当然なのでは、文句言えないでしょ、と諭された。この地にあってあいまいさは敵だ。イエスだろうがノーだろうが右か左か、白黒はっきりさせなければならない。答えがどうあろうと、そのあとでなければ握手はできない。改めてチャットの内容がいい加減だったかチェックしてみることにした。

姐姐は言う、他に誰かスカイプネームと携帯を教えてないかと。麗江の若造はどうだ?オーそうだ、あいつとは昔からスカイプでやり取りしていたし、仕事仲間だったので携帯も知っている。しかしヤツから情報が流れた?いくら奴でもそれはないだろう。床について考えてみる。そうだ、一昨年末、帰国時に移転通知を出した覚えがある。そこにはこちらの携帯番号とスカイプネームを印刷していた。しかし日本語で、送った先はみな日本人だ。fucking ladyに届くはずはない。

実のところ、fucking ladyに携帯で問い詰めた時、なぜだか怒りの矛先が緩んだ。チャットの彼女と、携帯の向こうでちゃらんぽらんな返事の彼女とが一致しなかったのだ。ついつい俗な話になって、アタシの知り合いにもお前と同郷の人間がいて背が高くて…、彼女が問う、どのくらい、これこれだ、まああたしもそれに近いのよ…。そんな彼女が何故執拗に真夜中無言電話をしてきたり、汚らしい言葉を投げかけてきたり、チャットにまで言い散らしてきたのだろうか。

突然襲った四川省の大地震、突然受けた見知らぬ愛国者の迷惑チャット、そして突然のネット回線の切断……。変な出来事が重なったものだ。

[ MEMO: 姐姐の家に届いた白黒の夕刊。死者は四万人を超えた。久しぶりに完全モノクロ新聞を見た。日本の新聞に色気が出始めたのは割合最近のことだし、それもパートカラー。二十年以上前、すでに台湾の新聞はフルカラーだった。 ]

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