Tuesday, January 22, 2008

[廈門・592天] 離開 - 値段の駆け引き

[離開 li2kai4 ]:(人、物、場所から)離れる。(クラウン中日辞典)

台湾への移転に向けて準備を進めている最中である。まずいま住んでいる部屋をどうするか。契約は一年、二月末までは支払い済み。残りの三ヶ月をキャンセルすればデポジットした一ヶ月分が戻ってこなくなる。何とかしたい。

台湾の仕事はネットワーク上で動く。ソフトプラットフォームでオーガナイズされていく。アタシは絵描きでもあるので、これらが簡単にネットワーク上のフォーマットにのってくれなければ困る。そこで手書きのスケッチなぞをスキャナーなぞ使わずに簡単に処理できるパソコンが必要になってきた。今のところ、コンシューマー向けにはタブレットPCしかない。これが結構高価なのだ。さあどうする。

そんな面倒を見てくれる人間は周りには一人しかいない。そこで久しぶりに登場いただいたのが乳飲み子を抱える若き人妻。産休で二月末まで乳飲み子の面倒を見ている。とはいっても、お手伝いさんがいるから気楽である。相談に乗ってもらった。部屋の処理もパソコンの購入も彼女が段取りよく話を進めてくれた。もつは良き友の代表のような人間だ。なぜ登場いただいたか、一つに面倒見がいい。一つは口うるささで会社でも超有名人。折衝事は彼女に任せるのが正しいのだ。それになによりアタシに優しい。

部屋の処理はどうも次ようにして進めるらしい。残りの契約期間を又貸しする。この又貸しを不動産屋も推奨していて、戻ってきたらまたわたしに声をかけてね、で何とかしてしまうらしい。前の部屋も今回も、二部屋あるものの、一部屋余っていたので、誰かが一寸泊まらせておくれといったときぐらいしか有効に使ったことがない。要は無駄だったのだ。老後のためにも小金を残さねば・・・。

パソコンはというと、IBMのThinkPadシリーズ、タブレットPC。もともとIBMのパソコンが高価な上に、輪をかけて高い。それでもモニターに直接手書きできるので重宝間違いない。日本語版か簡体字版か香港で英語版を入手するか検討した。問題は日本語入力。それも日本語入力IMEがオフィスから単独で切り離されたユーティリティーを簡体字中国語版に突っ込めば、日本語版並みに日本語入力できることがわかった。今後の仕事はきっと中国語圏で続けられるだろうから、最終的に大陸用の簡体字版に決めた。

問題はもちろん価格。一般般(中国語の先生、一般的というのをこう表現する。若い連中は多用しているらしい)のノート・パソコンが人民元で五千元から七千元、それがIBMの、となり、タブレット、となると倍以上に跳ね上がる。周辺器機を含めれば三倍だ。若き人妻、なぜそんな高いのを買うのだと文句を言いつつも、アンタ外国人だから高く買わされる、アタシが交渉するからね。

先日、二人で電子城に出かけてきた。前日、何件かの下見をしてきたアタシが手にしている店の価格表を見ながら、連絡先に値段を聞きまくっていた。価格表の価格を目処に勝手に安値をふっかけている。別の店はいくらだったよと、うそ八百を並べている。それでもここは中国、簡単にうちではできませんから他を当たってくださいなぞ一言も口にしない。相手もしたたかである。折衝には長けている。

当日、電子城のなかでIBMを扱っている店に片っ端から入っては、昨日話したでしょ、実際はいくらなの、さっきの店はこれこれだったよ、どう?売るの売らないの?底値がわかるとさっさと次の店へ。そしてまた折衝。目をつけていた店には最後に顔を出した。最後の店もたまったものではない、領収書いらないからね、オマケは何?結局アタシが目安としていた値から更に二千元以上も安く購入することになった。

それにしても、シラを切るように店を出る様は、とうていアタシにはできない。アタシならいろいろ面倒かけたね、の一言ぐらいいうだろうに、彼女、ぷっと身を翻して店を出て行く。店員はそこで、でいくらならば・・・と声をかけてしまう。これで彼女の勝ちだ。オー恐るべし中国女性!しかしそれでも店は損をしていないのだから、値切り前提で値段をいっているのだ。オー恐るべし中国!

アタシの手元の中国語教科書には、「値段の駆け引き」という一課があるくらいだ。これができねば中国人を理解したことにならないらしい。

[ MEMO: 手元に残っていたIBMパソコンの価格表と店の名刺。元値は聯想(IBMのパソコンを買収した中国のパソコンメーカー)のネット価格が基準になっている。 ]

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