Tuesday, October 30, 2007

[廈門・509天] 小事情

特殊な事情がありまして、幹部の多くが台湾人、スタッフのほとんどが中国人。もちろん比率は圧倒的に中国人が多い。台湾人に共通しているのが口うるさいこと。私の席のとなり、彼はまだ若い幹部。彼が中国人スタッフを呼び出し、仕事の内容にとやかく言っている。席が遠いので内容は聞き取れないが、どうやら一つのことについて長々と説教している様子。長い、なにしろ話が長い。

ある時、呼び出されたスタッフに一言声をかけてみた。「どう?仕事の内容は」、彼「万全です!」。苦笑するわたしを見るや、彼、態度一変する。突然にわたしの手を強く握りしめ、早口で語り始めた。「小事情( xiao3 shi4 qing2 )、小さな事なんです。こーんな小さな事をとやかく言うんです。それも何度も何度も」。わたしは幹部である。幹部に下手な答えはできない。それを、わたしの苦笑する様に、彼はわたしが事情を理解してくれているのだと、息せき切って話したのだ。

麗江の若造、ここ廈門に来ては麗江のスタッフに電話をかけまくっている。これがまた長い。そして苦情をたらたらと述べている。一度話せば済むだろうと思うも、彼もまた繰り返し繰り返し叱りつけている。そのくせ、こっちに来ると電話代がかかるかかると愚痴っている。当然だろうにと思うも、原因は自らにあるとは思ってもいない様子だ。

台湾人がそうなのか、中国人は違うのか、事情はわからないが、彼らは実によく話す。ああいうとこういう。話が激高して、手が震え出す者もいる。わたしは、彼と話すときはどこを押せばいいか、どの部分にさしかかったら話題を変えればいいか、なぞ理解して話をしている。ただ予期せぬ反応が返ってくることもある。女性技術者に、アナタの書いた図面はこれこれこうで、だからこうなって、結果こうするべきではないか、と説得しているうちに、彼女の目つきが変わってきたりして、ありゃまどうしましょう、なんて事もあったりした。

あれこれ愚痴らしきことを書き立てているものの、やはりわたしは東アジアの旅を、ひと一番楽しんでいるのかもしれない。

[ 写真: 今日もまだ写真ありません。日が短くなり、帳が下りたと思ったら、夜空に満月が見えていたのは、確か数日前だったか。ムーラン・ルージュだった。でも写真はありません。 ]

No comments: