Sunday, May 20, 2007

[廈門・348日] 部屋探し

ここ二週間、週末は部屋探しだ。一年目の更新を前に、さてどうするか、簡素で上質な部屋を棄て、ごく普通で安い部屋に移るか、思案投げ首である。家賃を知る人の多くは、一応に「高すぎる!」という。はたしてそうなのだろうか・・・。

こちらに来てすぐ、いくつか部屋を見て回った。元ボスは100m2、月3200元、内海と大橋の眺められるのを自慢していた。このマンションに隣接する一棟には、月3400元前後の物件が二つ、バルコニーからの眺めも申し分なかった。どれも満足いかなかったのは、海岸線と幹線道路に挟まれ、孤立した立地だったこと。買い物に出かけるにも、この幹線道路を越さなければならない。それに足回り、周りの環境が雑然としていたこと。国際フェリーの建設、それを目当ての大規模開発が進んでいて、建設労働者たちが四六時中マンションの周りをだらだらと歩き回っていたりしていたこと。

いま住むマンション周辺は、高級住居と店舗、整備された街路樹、広い歩道、銀行に大小様々な飲食店、一歩裏に入れば、自由市場に露店店舗と変化に富んでいる。そして明るく小綺麗な家具、合理的な間取り、整った設備。足下は車の入れない、夕方に子供たちが遊び回っている広場、カードを持たないと出入りできない敷地、などなど安全性も高い。タクシーに乗って、マンションの名前を告げればそのまま連れてってくれる、名の知れた建物だ。

その分部屋代も月4000元と、私には一寸贅沢である。幾ら日本円で六万円程度とはいえ、他の方々と比して分相応かどうか。ただ、一つ言えることは、私は建築のデザインという仕事を生業としており、環境や雰囲気に目を配っている。貧相な風景のなかからは、なかなかいいものをつくれないと考えている。

この二週間、見て回った部屋はどれも2500元前後。みな雑然とした間取りと、安っぽい家具に囲まれていた。手助けしてくれている若き人妻は、二年住めば差額で車が買えるではないかという。この差額は、こちらの大学卒の初任給に匹敵する。贅沢は敵か。いまのマンションに居続けることを推奨したのはただ一人、元ボスの運転手、かつての仲間、一人孤独に生活する外国人にとって、決して高価格とは言い難いといった。

[ 写真: マンションを下見したあと、我が家の下の高級ブティック。夏場に着る妊婦服を下見する若き人妻に同行したさい撮影。 ]

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