Monday, April 30, 2007

[廈門・3XX日] 気がつけばはやひと月が・・・

このblogを最後に更新したのが四月六日、気がつけば四月も終わり。明日はメーデー、こちらでは労働節と呼んでいる。ということは国を挙げての休日、七日間の休みとなるわけです。久しぶりに解放された気分が味わえそうです。

blogの更新を怠ったのは、ただただ仕事が忙しかったこと。数ヶ月前を思い出してみると嘘のような忙しさでありました。世話好きで騒がしい教師が去ったこともあって、だだっ広い部屋に戻り食事をとると、睡魔が否応なしに襲ってきておりました。そのまま横になり真夜中まで眠りこける。外の騒音の去ったテラスに出て煙草をふかすとまた眠り込む。ここ数週間、毎日がそんな様だったのです。

会社での大きな出来事は、なんといっても新任辣腕総経理が職務を解かれたことでしょうか。裏ボスの厚い信任のもと、すきほうだいに会社内部をいじくり回したツケが、結局裏ボスの気に障ったようであります。栄枯盛衰、因果応報、彼によって去った運転手、追われたポストの総経理、人知れずほくそ笑んでいることでしょう。しかし明日は我が身、小心小心 ( xiao3 xin1 注意 ) であります。余計なことに首を差し込まないことであります。

もう一つは壮大な開発の開墾式が簡単に行われたことでしょうか。敷地に残された四百年の寿命のガジュマルの木のもとで拝拝 ( bai4bai4 礼拝の儀式 ) を執り行いました。捧げものの豚の頭、饅頭、神様専用の賽銭が山と積まれ、線香を手に手に三拝したのであります。

[ 写真: しかしいまだになじめない色柄の捧げものである。あかあかあか一色といっていい。線香までも赤である。 ]

Thursday, April 5, 2007

[廈門・300日] F1フリーク

私はF1フリークであります。人からは、車がくるくる回っているだけで何が面白いの?と聞かれます。F1はサーカスにたとえられ、あちこち転戦しながら一年間を戦います。コースも違えば、レースの進捗につれて戦い方も変わってきます。ドライバーだけが目立つようですが、完全なチームワークが必要になります。マシンは機械ですし、その精密さはなかなか奥が深いといいます。

今年もすでに開幕戦を終え、今週末はマレーシアのセパンが戦場となります。開幕戦ではフェラーリが優勝しました。私の嫌いなチームです。昨年で私の嫌いだったドライバー、ミハエル・シューマッハが引退し、代わりにフィンランド人の若造とブラジル人の若造がステアリングを握っています。このフィンランド人、フィンランド人のF1ドライバーというのが結構多いのですが、アイスマンとも呼ばれています。トップガンにもそんな名前の戦闘機のりがいましたが、表情を変えない、話す英語が東北弁っぽい。抑揚なく話します。そのくせウォッカをがぶ飲みするそうです。

なぞなぞ、レース以外についてくる話がまた面白い。昨年ミハエルがベルギーのスパフランコルシャンのレースで、佐藤琢磨という無謀ドライバーに追突され、頭に来て琢磨のヘルメットを叩いたとか叩かなかったとか、そんなことも話題にされるのがF1サーカスです。今年は何が起きるのか、楽しみであります。

ここまで書いたところで携帯が鳴りました。話があるから出てこいと、総経理二人と長々話、結局、日本時間で翌日帰宅と相成りました。しかし総経理というのは気苦労が多いようです。私のように画を描きアイデアを練る、なぞ美しい仕事とは縁が遠い。うらやましがられますが、それでも彼ら、どう仕事をこなしていくか、真剣に話をしていました。コーヒーショップの隣の席には、日本人の若い女性が、これもまた長々と話を続けておりました・・・。

[ 写真: F1スポンサーの一企業にTAGHeuer。公式記録をとっています。このTAGHeuer、人によっては合併する前のHeuerが懐かしいという人も多く耳にします。 ]

Tuesday, April 3, 2007

[廈門・298日] 狙われる日本人

線が細くてアクセスできないでいたblogger.com、ようやく繋がるようになりました。

咲き乱れる花です。ヘッドクオーターオフィスの庭の一角です。このほかにもツツジが満開です。他にもオレンジ色の花を咲かせている樹木もあります。牡丹のように突然ボタッツと落ちます。不気味です。黄色い小さな花を咲かせる背の低い木もあります。花もいろいろです。同様にオフィスに咲く花もいろいろです。この花々が実にうるさいのです。

私が通っている建物には開発部門の人間だけです。総勢約三百人ぐらいでしょうか。このうち大半が中国人。中国人といっても、東西南北いろいろな地方から人がやってくる。みな発音に特徴があり、どこの人間かは一概に判別できない。ほんの一握り、経理以上が台湾人です。台湾人はここでは同胞 ( tong2bao1 ) と呼ばれています。同胞ですから外国人に入っていません。実質の外国人は私だけです。

この会社、今、ひたすら人間を補充している。次から次へとニューフェースがやってくる。私を知らないそれらの人間がなぜか私に話しかけてくる。「どこの方ですか?」と目上の人に対する話し方で接してくる。どこの方ですか、という聞き方は、どの地方の人ですかという意味であります。「外国人ですよ」と答えると、たいがいが目を丸くする。いまや姿形も話し方も中国人に見えるらしい。

まあ実に彼らは「交流」(コミュニケーション)が好きです。少し厄介なのは、若い可愛い女性がにこっと笑顔で近づいてくることです。気分の悪いことはもちろんないのですが、なかには「カッコイイですね!」なぞ口にしたりする。「日本のクソジジイをつかまえてなんという口の利き方だ!」と答えています。かくも各様にこちらの花々は人の気を引くことに長けています。優しい日本人は狙われているのです。注意!注意!注意を怠らないことです。

[ 写真: 花の色が実に艶やか。こちらの女性を思わせるような派手さです。 ]

Sunday, April 1, 2007

[廈門・296日] 13階でも谷間

エッ?静岡が三十度を超えた?真夏日?日本はどうなっているのだ!

私の住まいは13階にあります。それでも写真のごとく周りを取り囲まれ、マンションの谷間なのです。一番手前両側の対になっているマンションが一番古く、どうやら元々オフィスとして計画されたようで、バルコニーがありません。開口も小さく、空調機もむき出し、場所柄を考えても月に千元はいきそうにありません。

次にある奥のは比較的新しい対のマンション。一戸一戸の面積は小さいらしい。月二千元からか。真向かいはまもなく竣工予定の最新マンション。見るからに高級。形も曲線を多用、バルコニーも広く、これは月五千円を超えると思われます。どれも三十階。

私のマンションの最上階が十九階、十四階と呼ばれる階がありませんから、実質十八階。部屋数が少なく、各階三戸にエレベーター一台、一階は共用部ですから部屋無し、そうすると十七掛ける三戸で、五十一戸に一台のエレベーター。マンションとしては悪くない。朝の通勤時間に待たされることはほとんどありません。周りを三十階のマンションに囲まれているとはいえ、私は満足しています。

この部屋の契約は六月十三日まで。ちょうど一年です。その後契約を延長するかどうするか考えなければならない時期に来ています。廈門に留まるか、それとも元ボスと連れだって北京に移るか。私は廈門をいたく気に入っています。お金が少ないとか、仕事がうるさいとか、待遇が不十分だとか、そんなことは抜きにすると、廈門はとても過ごしやすい。人間もおおらかで、人なつっこく、バスで白髪の人間を見ると即座に席を譲ってくれるし、女性は大きな黒い目と小さな顔とGパンとハイヒール姿が実に美しい。さあどうしましょう。日本の片田舎も棄てがたいですし、こちらの片田舎でまだ過ごしたことはありませんし・・・。

[ 写真: 写真を撮るまで谷間にいることに気がつきませんでした。写真は厨房の窓からの眺め。あまり気がつきにくい場所です。寝室からの眺めは解放されているので、谷間にいるとは感じられないからです。 ]